女性41歳 「子供のためと思って懸命にやってきた・・」
子供のためと思って懸命にやってきた。食事はきちんと作った。冷凍物は使わず、野菜も全てオーガニック。2時間位かけてきちんと作っていた。きっちりマクロビオティックを実行した。白砂糖や添加物の入った身体に悪いものは、あれもダメこれもダメと一切食べさせなかった。お菓子も手作り。必死だった。それなのに、友達から貰った市販のお菓子を食べる時、友達の家で普通の食べ物を食べる時の方が嬉しそうだった。子供は「何で僕だけ食べちゃいけないの」と言った。友達が食べていても、白砂糖が入っていたら、「あなただけは食べちゃダメ」と私は毅然と言っていた。子供は私が怖いから、食べたいと言わなくなった。
子供に食べさせたくないものは「大人が食べるものだから」とか、饅頭を「あれは辛いよ」といって食べさせなかった。幼稚園の時、よその子がソフトクリームを食べているのを見て、「あの子、子供なのに食べているよ」と怪訝げに言っていたほど。
子供が何が欲しいか、どうして欲しいか、ではなくて、私がどうしたいか、どうしなければならないか、しか考えていなかった。私がやるんだから黙って言うことをきけと、やっていた。
今、思う。子供が欲しかったものはオーガニックの野菜や手作りおやつではなかった。
ベイビーブレスを重ねて今は、~しなければ、~でなければダメ、というのが随分取れて楽になった。そうしたら夕飯に出前が取れるようになった。カップ麺も食べるようになった。
不登校を繰り返したり、家で暴れたりするようになって子供との関係が悪くなってからケーキを作っていなかった。今、関係が回復しはじめ、数年ぶりに子供が小さいときに良く作ったケーキを焼いた。お菓子作りは気持ちに余裕がないと作れない。息子が小学生以来だった。私が作りたい気持ちで、作ってあげたい気持ちでやると、息子にも伝わったのか、「ホッとする味、懐かしい味だ」と言ってくれた。私に何でも押し付けられたこと、決めつけられたことは嫌だったろうに、そんな風に言ってくれて嬉しかった。
ずっと自分が子供に対してやらなければならない事に必死だったから、子供はかわいいかどうかなんて感じている余裕がなかった。子供は「何とかしなければならないもの」だった。けれど、最近はかわいいと思えるようになった。そう思えるようになったら、息子にはもっと自由に好きにやらせてあげたいと思えるようになった。.