仲間と話しながら原因を探る|セラピーの現場から(529)

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傷つきながら生きてきた人は、大方、自分を抑え込む感じがあります。ベビーブレスで徐々に解放されて行くようです。押え込み、抵抗、癖・・・というようなもの(言い方はいろいろ)がなくなっていきます。そして、ベビーブレス仲間と自分の癖をオープンに話せるようになります。その癖が付くまでに、幼い自分がどれだけ傷ついてきたことかと。お互いに、各自の癖や傷を意識させられるから余計に自覚でき認識しやすい自分が出てきます。自覚や認識の機会が少ないまま毎日を過ごしてしまうことを避けられます。そして、何でこうするんだろうと、原因となっている子供時代へと繋げていける機会が多くなるようです。

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自分がかわるときの予感|セラピー現場への報告(528)

 

セラピーを重ね、自分が徐々に変わっていくとともに、ある日、突然大きく変わることがある。そのある日の直前、自分が変わる予感のようなものがする。何か不思議なウキウキするような感じ。そわそわするような、怖いような、楽しみのような感じ。心の中に大切にしまいこまれていた愛(いと)しい何かから、待ちに待ったメールが来るような、そんな感じ。

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望まれるままに自分の死を望む|セラピーの現場から(527)

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若い母親が、いろいろな理由で、子供に愛情が注げない。心の奥では、子供がいなくなればいい、死んでしまえばいいと思ってしまうこともある。子供の食べ物やおしめの世話は、何とか頑張って、する。しかし本心から生きてほしいなどとは思えない。思っていない。(彼女がそうなるには理由があるのだけれども・・。)

幼い子供は、自我が十分にできておらず、その母と一体。心が一体。母の思いを自分の思いとする。望まれるままに、いつしか自分の死を望む。自分自身の望みとして、望む。本心で望む。そうして、それでも肉体は生きていく。体は生きようとする。心は死を、身体は生を。葛藤(かっとう)が起きる。子供は大きくなるに従い、この葛藤を押し隠す。隠しても、しかし無くなることはない。肝心なところで顔を出す。そのようにして人生の苦しみの基盤がつくられる。

 

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どうして私がそんな心の傷を負わなければならないのか嫌だ!という「なぜだ!」|セラピーの現場から(526)

 

私たちは、心が辛すぎて「なぜだ!」と叫びたいことがあります。ベビーブレスでは、自分の心の傷に直面するときに、実際に経験することがあります。幼い頃から作られた切ないほどの傷に、心からの叫びが上がるのです。うまくいかない人生のカラクリも浮かび上がります。ところが、この「なぜだ」には二通りの種類があるように思われます。一つは傷の理由を知りたいという「なぜだ」です。もう一つは、私に何一つ落ち度はないのに、どうして私がそんな傷を負うひどい目に会わなければならないのか、帳消しにしてほしい、迷惑だ、嫌だ!という「なぜだ」です。

自分の心の中のことだけではありません。例えば、殺人犯に子供を殺された親御さんが「なぜだ」と死刑囚となった殺人犯に面会に行くことがあります。裁判で明らかになった内容には満足できないのです。何かが足りない。何かを理解したい。顔を見て心を覗きたい。そういう気持ちです。
もう一つ。殺人犯に子供を殺された親御さんが「なぜだ」と、死刑囚となった殺人犯を、一度の死刑では足りず、何度でも殺し続けてほしいと願う気持ちです。私の子供に私に何一つ落ち度はない。犯人を粉々にしてほしいと思う。恨んでも恨んでも恨み足りない。怒っても怒っても怒りたりない。そういう意味の「なぜだ」です。
子供を殺される体験は稀でしょうが、幼い自分自身の魂を殺された体験は、稀ではありません。それに気が付いたとき私たちの「なぜだ」はどっちになるのでしょうか。大きな岐路のように思えます。

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涙が溢れて止まらない40年前の中学校を昨日卒業した|セラピーの休憩時間(525)

凄いことが起った!!昨日の息子が中学の卒業式だった。父親である私も出席した。でも、それは、まるで自分自身の卒業式だった!涙が溢れて止まらなかった。やっと自分が、この〇〇中学校を卒業できた。
40年近く前に、私がこの〇〇中学校を卒業したときのことを、その卒業式を、私はまるで覚えていなかった。当時、私は、シングルマザーで病弱な母に育てられ、進学する経済的な余裕はなく、母の不安定な心の状況をそのままもらって、心の余裕も全然なかった。ほとんど一人で社会へ出ていく心細さに、耐えられない気持ちだった。不安で怖くて、友達も先生も卒業式会場も何もかも全く覚えていなかった。ただただ真っ暗な空間に包み込まれて、おびえているひ弱な自分がいるだけだった。
その後、セラピーを重ね、自分の中に隠れていた怒り、恐怖、不安、母親への隠された心情を扱った。そして最近、徐々に、自分の本当の姿を味わうことができるようになってきた。感情が甦り(よみがえり)、家族への愛情が自然に湧くようになっていた。
そして昨日の卒業式の会場!!広々とした思い出の詰まっ体育館、一緒に過ごした友達の顔、優しい先生達、懐かしい学校の匂いなど、当時の感覚でよみがえってきた。不思議!当時の私がそこに居た。昨日、友達と楽しそうに絡む息子は、実は私だった。40年近く前にはできなかったが、本当の私は、まさに、そのようでした。それが本当の自分の姿でした。
今もまだ、思い出すと涙が溢れて止まらない。自分のこと(セラピーを通しての自分の探求)やっててよかった。本当にありがとう。

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つい人に慰めを求めそしてつい恨む|セラピーの現場から(524)

 

どうしても辛く苦しいときがあります。苦しさに追いつめられて、私たちは、その苦しさから逃れる助けとして、人に頼ることがあります。まるで、昔失った親を求めるように。しかし、そのことも、あまり長く続くと、本当の気づきや癒しから遠ざかることが多いようです。人からもらえる愛情が目的になってしまいます。一時的な慰めを追い求めるだけになってしまいます。慰めが一時的だと気づくと、今度はひるがえって、その人を怨み攻撃するようにもなります。本当に自分のことを観なければ、本当の癒しにはなりません。経験の事実としてそのようなのです。人に頼っているとご自身で思う人は、頼ることに飽きたら、その苦しみの奥に隠れている本当の問題を観ることをお勧めしたいと思います。ほんとうに納得するために。本当に始めるために。

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子供への意識がなかった|回復途中で気が付く|セラピーの現場から(523)

 

子供との関係性に悩みセラピーを受ける。子供自身の問題というよりも、母である自分自身の問題に、始めはいやいやながら、気が付くようになる。そうこうするうちに、自分自身が、自分の母親に同じように扱われたことに思い至るようになる。ことの全体が観えてくる。徐々に自分自身の傷がいやされるようになる。子供の問題も少しずつ、知らないうちに、よくなってくる。そのような時期に、はっと気が付くことがある。アルバムや、子供の使わなくなったおもちゃ、子供がむかし学校で作った作品、などなど。何ということはないありふれた品々。心を打つ。涙さえ出る。今まで気が付かなかった。子供への意識がなかった。子供と十分に相手をしていなかった。どうしてそんなことができたのだろう。後悔と、すがすがしい気持ちとが、入り混じった気持ち。自分のこころに何が起きたのか、説明しろと言われても難しい。でも、そういいうこと。間違いなく、何かが起きた。

 

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毒親の世代間連鎖|いつの時代から女性は子供を愛せなくなったのか|セラピーの休憩時間(522)

毒親に毒されて育てられた子供も、また長じて毒親になり、やがて自分自身の子供を毒するようになる、という世代間連鎖は、何を意味するのでしょうか。世代を下れば、親、子、孫、ひ孫・・・。どこまでも続くように思われます。自分は親から十分に愛情をもらえなかったので「自分の子供にだけはけっして同じ思いをさせない。」人生の中ではこう決心する瞬間もあるでしょう。でも気が付くと結局は親と同じことを子供にやってしまっている、というのが正直なとこのようです。セラピーの役割は、この強靭な世代間連鎖を断つことであるとも言えると思います。
世代をさかのぼれば、母親、祖母、宗祖母、・・・。どこまでさかのぼると「犯人」がいるのでしょうか。結局、いつの時代から女性は子供を愛せなくなったのでしょうか。女性が自分の妊娠や子育てを、自分のものにできなくなったのは、いつでしょうか。
大昔、人類は母系社会だったという説があります。母系社会では、女性が経済を握り、自分の妊娠は自分で選び、産まれた子供は、おばあちゃん(ボス)を中心とする大家族が手伝って子育てをするという社会だったという・・。女性にとっては少なくとも心理的には生きやすい社会であり、子供にも愛情が注がれやすかったでしょう。そうであるとすれば、母系社会から父系社会へ転換する時代に、少しずつ、女性にとって不本意な妊娠や子育てが増え、愛情をもらえない子供が増え、毒親の世代間連鎖が始まったのかもしれません。

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幼い頃に抱き閉じ込めた怒り(521)

自分の中に怒りがある。最近のことではない。普通に覚えているような頃の記憶でもない。かなり古い記憶。古い怒り。それしか「手がかりがない。」そうして、ベビーブレスをすると徐々に表れてくる。何か幼い頃の「象徴のようなものが出た」などと、断片的な記憶が、また一つ、また一つと増える。これらの記憶はやがて互いにつながり、はっきりした全体的なものになっていく。同時に怒りもはっきりした大きなものになっていく。怒りを「また強く出せた」とやや満足する。はっきりした怒りが、更に、隠されていた記憶を押し出す。そのようにして、隠されていた怒りと記憶が表れる。それに伴って、自分が怒りを抑えていることが認識できる。「我慢してたんだ」「出せなかったんだ」と。なぜ抑えているのかも、「知りたい」気持ちになり、おのずと分かってくる。「そういうことだったのか」となる。

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毒親はいかにして毒親になったのか3つの原因?|毒親のこころ|セラピーの現場から(520)

毒親の親もまた毒親であったというのは、セラピーの現場ではほとんど、あたり前のことのように思えます。つまり、毒親に毒されて育てられた子供も、また長じて毒親になり自分自身の子供を毒するようになる、ということのようです。世代間連鎖とはそういうもの、と、ラベルを張っても、それだけでは何か腹の足しにはならないような気がします。毒親によって子供はどのようにして自分自身も毒親になっていくのでしょうか。納得できる原因は、仕組みは、どうなっているのでしょうか。いろいろのケースを思い浮かべて、推察します。
○愛情が分からない
親が毒親であるために、愛情をもらっていない人は、愛情の温かさなどの良さがわかりません。そのため、その良さを子供に伝えられない感じがします。愛情を伝える積極性が欠如するようです。興味がないように見えます。愛情そのものを持っていないのでは、などと不覚にも思ってしまいそうにもなります。子供に無関心な毒親になっていきます。意識しないネグレクトなども生じます。
〇復讐
親が毒親であるために、愛情をもらっていない人は、子供のとき、愛情をもらえなかったことから、親に対して攻撃性や殺意を抱きます。しかし、幼い子供にとって親は宇宙のようなもので反抗はできないので、我慢し、自分の中に内在させます。意識はできません。やがて、大人になり、自分の子供をもうけると、愛情を求めて自分に擦り寄ってくる弱い子供へ、その攻撃性や殺意が噴出するようです。「私は我慢してきたのに、どうしてあなたは我慢できないの!私がどうして与えなければならないの!」というわけです。愛情の反対物である攻撃性や殺意を伝えてしまう。復讐のようにも見えます。子供へ敵意がある毒親になっていきます。積極的な虐待も生じます。
〇依存
親が毒親であるために、愛情をもらっていない人は、未だに不足し続ける自分への愛情をなんとか補うために、自分の子供から愛情を吸い取ろうとするように思われます。親からもらえなかったものを、ついつい子供に求めてしまいます。依存です。一見するとやさしく見えます。でも、やはり本当の愛情ではないと言えます。なお、この状況では子供も本当は愛情不足であり、愛情をもらうために自分も、一見やさしい親に近づきます。しかし、近づいても本当には満たされないので、成長することができず、親から離れていけません。相互依存となります。子供を成長させない、巣立ちをさせない毒親になっていきます。

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アニメ妖怪「顔なし」は自分であり母であり|解き放たれる寂しいという感情と満足|セラピーの現場から(519)

経営する店の従業員の人間関係が、なかなか、うまくいかない。経営者である自分自身の問題があって、本当の感情を抑えてしまい、これもうまくいかない感じがしていた。
ところが、自分のセラピーが知らないうちに心の奥で進んでいたのか、ある日、それは起きた。うまくいかない問題の中心の従業員に、ガンガンやった(怒った)。始めてというくらい自分の中にあった怒りを全部出した感じ。凄くすっきりした。帰宅したとき奥さんに「何か良いことあったの」と言われたくらい。次の日、人の話を聞いていても、全部出した後なので晴れやかに聞けた。
後日のベビーブレス
感情が出て泣けた。自分でも驚くくらい自由かもしれないと思う。
続いて、自分の正体を暴露するようなイメージが出てきた。
アニメ映画の「千(せん)と千尋(ちひろ)」の中で登場する妖怪の「顔なし」のイメージが出てきた。まるで自分だった。従業員を激しく怒ってしまったこと、自分が自由になる感じがすること、今まではできなかったということ、怒っていながら罪悪感のような恐怖があること。これら今起こっていることで寂しくて怖くて、顔なし(私)が千(お母さん)に求めるけど、(求めは満たされず)寂しくて(寂しさを紛らすために食物を)食べている。そして、苦(にが)団子を食べて、(諭(さと)されるように)シュッとして寂しくている。苦団子はベビーブレスで吐き出すこと。シュッとして寂しく(隠していた正体の)顔なしになっている。
寂しい自分が本当の自分だろうな。「お母ちゃん、お母ちゃん」とお母ちゃんを求めていた。ずっと泣いていた。恋しくて愛おしくてずっと泣いていた。凄くお母ちゃんを求めた。キチガイ(注:母は心を病み入院した)じゃない(本当の)お母ちゃんも(心を病むほどに)寂しかった。兄ちゃんも寂しい。みんな寂しい。ここに来て(自分の正体がわかるようになって来て)、求めていても(本当には)満たされない。でも求めているので満足。それでも(お母ちゃんは)いない。(昔は目の前のお母ちゃんを)求めることもしなかった。(今は求めるということを)声に出して吐き出してそれで満足っていう感じ。でも寂しい。お母ちゃんの寂しさをリアルに感じる。声を出せば出すほど寂しい。

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また、やってしまった(>_<)|子供との時間が宝物とわっと泣けたはずなのに|セラピーの現場から(518)

セラピーを続け、今まで気が付かずにいたことに、気が付きました。「子供との時間が宝物だった」ということ。それを思った時、家でもじーんときました。そのことをグループカウンセリングで話そうとしたら、話しながら、わっと泣けてしまいました。
グループカウンセリングのように、人がいて、その場所が安心出来る所だと、感情がどっと出るのだなと改めて思いました。そういえば、(私の)子供にとっては、安心できるはずの人と場所が母親(私)なのです。私は、子供にとって安心して話せる母親だったかな? また、自分の母親は私が安心して話せる人だったかな?と考えさせられます。<注:彼女は産後鬱(うつ)っぽくなったことをきっかけにセラピーを受け始めた>
それにもかかわらず、宝物であるはずの子供に対して、後から思うと、「また、やってしまった(>_<)」と思うことがちょくちょくあります。でも、セラピーを受ける前に比べると、家の中で子供との関わり方を工夫できること、伝えられること、がまだまだ沢山あるんだなと、改めて思うようになっています。これからの工夫の毎日…なんだか楽しみです。

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自分にある健忘に気が付かない|背景に幼い時の辛いことか|セラピーの現場から(517)

人は色々のことを忘れます。便利でもあります。でも、重要なことを、思い出そうとしても思い出せないと生活や職場でに困ることになります。度々だととても困ります。何か原因があるかもしれません。その場合には、幼い時に対応できないほど辛いこと(例:虐待)があり、忘れるという作用を強めることで対処する癖を、身に付けてきたのかもしれません。大人になっても、その癖は続き、何かまずいことがあると、すぐに忘れてしまう。忘れたことに気がつかない。職場でも迷惑をかける。「誰がそんなヘマをしたんだろう、俺じゃない」なんてことになることもあります。

さらに、忘れるだけでは間に合わないこともあります。辛い出来事が大きすぎると、忘れたくても忘れられず、単に忘れるという作用は役に立たないことになります。すると、一人の人間でありながら、その出来事に別の人格を割り当てて、本来の人格との間では連絡が取れないようにすることで対応しようとします。なかなか自分で認識できることはできません。そうすることで、辛くても忘れられない出来事は、その別の人格Bが担当してくれるので、本来の人格Aが、思い出す必要はなくなります。人格Aの状態の人に、人格B担当の出来事をたずねても、雲をつかむような戸惑った表情を浮かべるだけ。鉄壁の忘却ともいえます。この忘却の方法がさらに強化されると、複数の辛い出来事ごとに、それぞれ人格を割り当て、人格ABCD・・・が一人の人間の中に存在する、ということにもなります。

グループカウンセリングなどに参加していると、日常では分からないことも分かることになりますが、前者(健忘)は珍しいことではなく、割に多く見られる作用のように思われます。後者(人格が複数)は、はっきり現れる例は少ないようですが、その人の心の深いところに入っていくと、これもまた、それほど珍しくないのではなかろうかと感じられます。前者のことを解離性健忘といい、後者のことを解離性同一性障害(多重人格)というようです。

忘れていることに気付くようにすること、原因となっている幼い頃のことを思い出してみること、これらの試みは普段の生活でもできます。

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毒親は「毒親」とは気がつかない?|私は全部押し殺してきた|セラピーの現場から(516)

毒親をテーマにした本が増えています。「毒親」とは厳しい非難の響きのある言葉です。センセーショナルな言葉です。しかし、親から毒された子供の側からすれば、そんな言葉でも足りないほどの気持ちがあるでしょう。一生を台無しにされた場合もあるでしょう。
しかし、当の親からすると、心外であり、言いがかりであり、まったく心当たりがないことがほとんどです。自分の子供が苦しんでいても、まるで他人事です。子供がおかしくなっているのは、子供の問題であって、親(自分)の問題ではありません。
それでも、やがて、子供の状況が危機的になり、あるいは、親(自分)への攻撃が激しくなり、どうにもこうにもいかなくなって、カウンセリングにやってきます。当初はカウンセリングやセラピーもなかなか難航します。
突破口なるのは例えば次のことです。子供が親(自分)へ抱える不満や怒りと同じものを、どうやら自分も自分の親に対して持っている、ということです。「恵まれたお前がそんな不満を言うのか。苦労を重ねてきた私の不満は、とてもそんな程度のものじゃないぞ」「お前は親の悪口を自由に言えるが、私は言おうと思ってもまったく言えなかった」「お前は怒りや悲しさを出せるが、私は全部押し殺してきた」などなど。
そうして親は、自分自身の親に関するセラピーを開始します。心の傷の世代間連鎖を、言葉や理屈ではなく、体感します。
気がつくことは素晴らしいことです。気がつかないことは罪なことです。同じように子供を傷つけてきてしまった人でも、それに気づいている人は清々(すがすが)しい。気がつくためには、自分自身の中にある傷にこそ気がつかなければなりません。その自分の傷がどんなに大きいのか思い知った後で、初めて自分が子供に何をしたのかを理解します。自分が毒親であると気がついた親はもう毒親ではありません。

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「毒親」←「阿闍世コンプレックス」←「母拘束」|セラピーの休憩時間(515)

「毒親」というセンセーショナルな言葉が使われるようになっています。心のトラブルが母子関係からきていることを、子の側から被害者の立場で強調するもののように思われます。
実は、母子関係の重要性は、既に、70~80年位前に古沢平作によって、「阿闍世(あじゃせ)コンプレックス」という概念で提唱されています。内容のセンセーショナルさでは、こちらのほうが遥かにセンセーショナルです。弊社の実際のセラピーの実情には、こちらの方が合っているようです。
この古沢平作という人はフロイトと同時代の人で、フロイトから指導も受けているようです。残念なことにフロイトは母子関係は研究しなかったようです。阿闍世コンプレックスという概念の前にも、実は既に、「母拘束」という言葉があったようです。古沢平作が、教育分析を施している若い精神分析医の質問に対して、「阿闍世(コンプレックス)というのは母拘束のことなのですよ」と答えたことが残っています(「自由連想覚え書き」古沢平作博士による精神分析 前田重治 岩崎学術出版社 p64)。昔から精神分析のテーマとして、母による子供への拘束が、あったのですね。重要なことなので、当然でしょうけれども・・・。

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辛い記憶が鍵|セラピーの現場から(514)

とても簡単に言ってしまうと、幼い遠い日の辛い記憶を思い出すことが、すべての鍵のようなのです。思い出す事は、辛いです。しかし、思い出した後では、何物にも変えがたい奥底の心地よさを感じさせます。たとえその記憶が自分の命を脅かすような記憶であっても、です。それを分かる人は、めざましく前に前進するようです。回復するようです。その人そのものが、内側から、変化する。これは多くの仲間が経験する事実だと思われます。

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「毒親」に気がつくのは軽傷の子供|セラピーの現場から(513)

自分の親が「毒親」だと気がつくのは、軽傷の子供の場合のようです。子供にとって毒親と気がつくのには大きな勇気がいるからです。子供にとって親はどんな親でも命の基盤です。自分を産み育ててくれた大きな宇宙です。それを否定することは、簡単には、できません。やっつけることは簡単にはできません。非難することは容易ではありません。なぜなら、それは「失う」ことになるからです。命の基盤を失い、宇宙を失い、心(幼いこころ)は生きてはいけません。大きな不安や恐怖に直面します。
だから気が付かないまま抑え込まなければなりません。しかし、抑え込んでも傷自体がが治るわけではないようです。かえって傷は膿み塞(ふさ)がれ重くなります。外出できず、動けず、表現できません。抑え込んで重篤になります。それでも「失う」不安や恐怖よりは増しなのです。
不安や恐怖への直面は、一人ではできなくても、カウンセラーや仲間と一緒にいることで可能になります。不安や恐怖は弱められます。直面することで徐々に傷は開放され癒されていきます。

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私は2度捨てられた|母親は宗教に入信|心理セラピーの現場から(512)

母親は宗教に入信した。そのことで私は2度捨てられた。小さい時に私は母親から愛情を貰えずに捨てられた。大きな傷になった。大人になりその傷を修復する作業し始めた。始めは、その傷がどこから来るのか、はっきりしなかった。作業を続けるうちに、そこには母親がいた。原因としての母親がいた。原因が分かり、私は、母親にそのことを問い詰めたかった。しかし、母親は入信した宗教を守りとして、私の言い分には耳をかさない。そうやって、母親は私をもう一度捨てた。
母親には母親の傷があり、傷の原因があると、頭ではわかっている。でも、どうしても許す気にはなれない。遠くない時期に、私が母を看取る時期がやってくるだろう。許せないが、ことの全体をわかっている事はせめてもの救い。

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うまくいかない子育て|恥じることなく生きてきたのに「毒親」なんて|セラピーの現場から(511)

自分は社会的にも頑張って人生も恥じることがなく生きてきました。一生懸命に子育てもしてきました。

いつも子供の気持ちを考え無理なことはさせなかったと思います。子供に特別なことは何も望んでいません。

普通に学校に行き、家のことも少しでいいから手伝い、自分で稼いで一人前になり、できれば家族を持って欲しいと願うだけ…ただそれだけ…なのです。

それなのに学校には行かない、仕事は途中でやめる、自分のこともできない、引きこもる。

子供はそれも親のせいだという。それを許せない。私はそんな子供を許せない。私はどうして良いか分からないのです。

「毒親」なんて激しい言葉もあるようですが、一生懸命やってきた身としては、戸惑うばかりです。

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なぜ女性は禅寺の坊さんにはいないのか?|でも濃い関係性から温かい大きな理解へ|セラピーの現場から(510)

心理セッションやグループカウンセリングに立ち会わせていただいて、感じることがあります。男女の違いのことです。男性や女性がそれぞれ示す、人との関係性。
女性は、親や子供など人との関係性の中に、自分の問題の解決を見出そうとする傾向が強い。男性はその傾向は弱い。そう感じます。
人は、自分の問題が、人生早期の母子関係にあることが分かってくると、さらに、その理解を深めようとします。深めることができれば問題がひとりでに解消するようです。ところが、深めようとする際に、人との関係性の中にこそ問題解決があるとする気持ちがあまりにも強いと、どうにもならない母親をどうにかしようとして、大苦戦する傾向があります。ほとんど自滅の方へ向かおうとするのです。それほどの強い傾向は必ず女性が示します。男性はそれほど強くありません。
関係性があまりに強いと、一人になれません。そういえば、禅寺の坊さんは皆男性です。禅の修行は、個的な作業で、ほとんど一人ぼっち。しかも尼寺の数はとても少ないです。
なぜでしょうか?この男女の違いを見るにつけ、その原因を想像することがあります。以下、その想像です。

人類はたかだか数千年以前は母系社会でした。何万年も、ひょっとしてもっと何百万年もの間、女性は家を支配し、常に家族の中心にいました。人類へ進化する以前は、ハーレムなどのグループの中にいました。常にメスの周りには仲間がいました。
他方、男性は違います。父系社会は高々この数千年で、それ以前は母系社会の中で、冷や飯食いでした。家族の中心にはなれませんでした。人類へ進化する以前は、ハーレムなどのグループの中に居られたのはごく一部のオスであり、他のほとんどのオスは、離れオスとなって、グループの外で単独で暮らしました。オスの周りには仲間がいないのが常でした。一匹で死んでいくことがほとんどでした。
子づくりにおける男女の違いも、関係性の違いに、大きな影響があると想像されます。女性は、長い妊娠期間をすごし、お腹の中の胎児を感じながら暮らします。自分の血と肉で胎児を大きくする実感を持ちます。子が産まれた後も、自分の体の一部(乳という形で)を与えて、大きくします。何年もの間、自分の体に、子の温かさを感じ、子のあまい匂いを嗅ぎ、子のやわらかな動きを感じて過ごします。子の動きに応え、子の泣き声に応え、子の雰囲気に応えます。自分のこと以上の世話をして過ごします。時として子への完全な支配をつくります。ほとんど母子一体の長い期間を過ごします。子(人)との関係性は非常に濃いといえます。
男性は違います。極端に言えば、受胎期の一瞬だけしか関係しないこともあります。
ところが、そんな濃い関係性を持つ女性が、苦戦を乗り越えて、理解を深めると、男性には無いような、温かい大きな理解にたどり着くようです。周りの人を全て包み込むような温かさ、大きさがあります。女性が持つ関係性がゆえであろうと思われます。

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頑張っても報われない職場への怒りが手がかり|実は心の中では母に認めてもらおうと頑張る|セラピーの現場から(509)

○職場へのいかり
自分が勤めている職場に不満があった。「何てブラックな職場なんだろう」と思っていた。実際忙しい。私の同僚は、その同じ不満から、爆発してしまい、上司からは不評を買ったらしい。私はその場にはいなかったが、溜飲を下げ、「別にいいんじゃない」と思いながらも、私の姿だと思った。
しかし、落ち着いて考えると私は、職場で、やりすぎるほど一生懸命に頑張ってしまう面もある。そして後で爆発しそうになる。良い子をやって報われないと不満を溜め込むのは、昔からの自分自身の癖でもある。良い子をやめないと潰れてしまう危機感を感じていた。
○実は母への怒り
その不満の奥には、もともと持っている自分自身の強い怒りがあった。実は、母への怒り。その怒りの中に、(母から)捨てられた寂しさもあったことに気づけた。母に認めてもらいたいから頑張る。でも認めてもらえない。怒りがイライラと燃え上がる。
気づく前は、訳がわからず、(職場などで)怒りに溢れていた。 次から次へと仕事の時間に追われ、立ち止まらないままに、訳がわからず、(怒りの)傷口が導火線になり、 爆発してしまう危険な状態だった。
少し冷静になると、周りの人をみる余裕が出来た。被害者になっている!だから爆発せざるを得ない!そんな状態だった。

○母にどうしてほしかったのか:娘にはできた。
娘は、小5の秋から不登校になり、あの時はこの世の終わりのように悲しくて仕方がなかった。その時に、今のカウンセラーにアドバイスをもらて、<不登校>と言うのは、お腹にいて10ヵ月間の満足を未だ得られない胎児のように、外に出れない状態だと聞いた。その胎児のような状態を積極的に満足させるために、いろいろ努力した。いっしょに寝たり、いっしょにお風呂に入り、洗ってあげたり、あちこちの公園に出かけたり、夜中に泣き叫ぶ彼女を受け止めたりした。
おかげで、その後に娘は、活発な自分を取り戻した。娘は、ここ最近、短期 留学の後、自分の住いの引越しを終え、私の家に立ち寄って、それから、友達と台湾旅行に行く。親(私)のスネを思いっきりかじっている。「ずるい、私がこんなに大変な思いをしているのに」と思いっきり嫉妬してしまいそう。僻んでる?嫉妬してる?と自問している。今までの私なら嫉妬するはずだと思えば思うほど、不思議とそういう感情がなく、素直に喜んでいる私がいる。さんざん、不登校だった娘の被害者になっていた私が、喜ぶなんて、不思議なくらい。
○自分にはしてもらえていない。
あの時に娘へいろいろ努力できた私は、自分では好きだ。辛かったけれど、一生懸命だった。あの時の自分をすぐそばにおいておこうと思っている。何に怒っているのか。娘にはできた。自分にはしてもらえていない。そのことだと思う。

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気持ちが通じない家族 |孤立して苦しむ|心理セラピーの現場から(508)

自分の気持ちが家族に通じないということがあります。そのため家族の中で孤立して苦しんできた人たちがいます。そういう人は、グループカウンセリングが役に立つと思われます。仲間が、同じような傷を持ち理解力を養ってきた人たちが、自分を理解してくれます。包み込んでもらえ分かってもらえます。普段の生活では手に入らないような雰囲気の中にいられます。そのこと自体が助けになるようです。癒しになり感情がほぐれます。そうして余裕ができ、はじめて、自分の傷を客観的に見られるようです。セラピーが本格的になります。

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せっかくの大きな気づきからつい逃げてしまうのはなぜ?|心理セラピーの現場から(507)

心理カウンセリング等の心理セッションを続け、大切な気づきに次々と出会うと、実生活もいろいろな改善が起き、順調に進みます。それに伴い心理セッションへの意欲も出て、もっと進みたいと思います。そして、徐々に大きな気づきがあります。往々にして、心理的に生存にかかわるようなことです。いよいよです。
大きな気づきがあったときに、そこから逃げないことが大事です。長い間その気づきと一緒に居られれば、徐々に、自然に癒しが起き、大きな成長が起き、物事は進んでいきます。ところが、よくあることなのですが、いつの間にか、逃げてしまう。忘れたり、乖離(かいり)が働いたりします。大きな気づきは辛さを伴うためです。その辛さと一緒にいられないのです。
そして、前の大きな気づきはまるで無かったようにして、次の新しい気づきを求めるようです。ところが、また別の大きな気づきがあると、また逃げてしまう。そのようにして繰り返しが起きる。繰り返しているだけでなかなか前進しない。そんなことがよくあります。気づきはまるで漢方薬。苦い(辛い)けれど、徐々に効く。なんとか吐き出さないで。なんとか逃げないで。

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阿闍世コンプレックスの妥当性をなぜ仏典に求めるの?|心理セラピーの現場から(506)

心理トラブルの深い部分を探ると、母親から出生を本当には歓迎されないのに産まれてきてしまった、という事情が隠れていることが多々あります。そのようにして生まれてきた人が抱える葛藤は、阿闍世コンプレックスと呼ばれます。この名称(名前)の由来となった阿闍世王の物語が、仏典にあります。しかし、阿闍世王の物語を載せる仏典は複数あり、物語の内容も少しずつ違うようです。そして必ずしも、阿闍世王の物語の中に、阿闍世コンプレックスと呼ばれるコンプレックスが正確に描かれていないのではと、妥当性が議論されます(例えば「阿闍世コンプレックス」小此木啓吾 創元社)。まるで、正確に描かれていないと、阿闍世コンプレックスという概念そのものが妥当でなくなるような勢いで、議論されます。
そのような議論は、心理セラピーの現場からいうと、無意味な感じがします。阿闍世コンプレックスは、あるコンプレックスの名称にしかすぎません。名前自体は何でもいいはずです。ABCコンプレックスでも、胎児コンプレックスでも、構わないはずです。母親から出生を歓迎されないのに産まれてきてしまったことが原因となって、深刻な葛藤が、実際に多くの人に共通して存在するのは事実です。多くの共通した事実があるので、この共通性に対して、一つ名称を付けましょうというのは、便宜上、当然のことです。
また名称を離れて、阿闍世コンプレックスという概念そのものの妥当性は、心理セラピーの現場で議論されるべきでしょう。そもそも仏典は、お釈迦様が亡くなって、かなり時代が下って伝承により書かれたものだそうで、しかも、その書かれたものも、さらに時代が下り人々に受け入れやすいように色々に書き直されていることが予想されるのですから、仏典の事実内容の正確さを云々するのが無理ではないでしょうか。

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実は分かっているけれど・・?|現実的トラブルの勃発と自分の問題を見るチャンス|心理セラピーの現場から(505)


心理セッションを受けて、短期の内に、当面の目標に到達する人もいます。しかし、当面の目標には到達したものの、更に深く自分の問題に着手する人も多くいます。ひと月に一回、あるいは数か月に1回の割合で、心理セッションを受けます。長い期間、続きます。
その長い期間の途中で、生活の中で突発的な現実的トラブルが発生してしまうことがあります。肉親の病気、事故、死。一時的に経済的負担のかかる事柄、などなどです。
これら現実的トラブルの解決を優先させるため、心理セッションを休もうとする人もいます。深い自分の問題に直面し続けるのにエネルギーが要り、さらに、現実的トラブルに対処するのにエネルギーが要るので、どちらか減らせるほうを減らしたい、と思うようなのです。他方で、それらの現実的トラブルを、自分の問題に向かうチャンスだと見る人もいます。現実的トラブルで自分に精神的な負荷がかかり、そのため自分の本音がはっきりしたり弱点が明確になったりするので、自分の問題がはっきりするからです。
興味深いのは次のことです。多くの場合、自分の現実的トラブルが発生したときは、前者をとり、他人のときには後者を勧める傾向が強いことです。
勇気は出しにくいものの、実は、現実的トラブルの勃発こそ、自分の問題を見るチャンスだと、本当は分かっているのです。外側のことによって内側の自分の問題がより鮮明になる。外側のことで、ゆり動かされる自分がよりはっきりとする。普段はわからない自分の問題が現れる。だからチャンス。そう、実は分かっているのです。

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始めは好きだった相手をなぜ害しようとするのか?|心理トラブルの謎は解ける|心理セラピーの現場から(504)

一方的な恋愛感情を相手に抱き、思うようにならないと、相手を傷つけたり殺したりする事件が起きています。悲惨な事件です。しかし、同様の事件は、古今東西、珍しくないようです。
では、そもそも始めは好きだった相手を、害しようとする感情はどこから来るのでしょうか。謎です。犯人は事件を起こす前は、まともで、相手に出会って初めて原因が発生し、おかしくなるのでしょうか。そう考える人はほとんどいないだろうと思われます。犯人はもともとから自分自身の心理的トラブルを持っていると、皆が思うことでしょう。
犯人を長い間、刑務所に入れば、そのトラブルが治るのでしょうか。望み薄のようです。死刑にすればいいのでしょうか。そうしても同じような事件はまた起き続けるでしょう。出所後も、犯人はあまり変わらないまま人生を過ごすと思われます。いつものように。使い古された「心の闇」という言葉がまたつかわれるのかもしれません。それで事件は、また、いつの間にか忘れられるのでしょう。
ベビーブレスを経験していくと、その心理トラブルの謎は解けるようです。自分自身のセラピー体験として、謎を構成するカラクリを理解するようです。母子関係が隠れています。そうして、理解した人は、そのような事件を謎とは思わないでしょう。心理トラブルに支配されず、心理トラブルを越えていきます。

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実は母の側の愛情飢餓だった?|依存としての母娘関係|心理セラピーの現場から(503)

「長女はなぜ「母の呪文」を消せないのか」(第一章43ページ 大美賀直子 さくら舎)には、次のような箇所があります。娘に執着する母の心の底には「愛情欲求」がある。その欲求は、母が子供の頃に満たされなかったもので、次には、夫からもやがて疎ましく感じられたもので、結果として娘に向かった、と意味される箇所です。
弊社アコールのベビーブレスでも、娘との問題を抱える女性は、やがて、そのような自分自身の愛情飢餓の事実に気が付くことが多くあります。気が付くことでベビーブレスにより表現できるので癒されます。そうして、愛情飢餓は、娘との問題だけではなく、人生全体の根本的な問題と気が付くことになります。それを通して、何よりも大切な事柄に気が付いていくようです。それらのプロセスを通るからこそ魅力的な女性になるのだと思われます。

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自分の問題を早く片付けたいと思ってしまう落とし穴|心理セラピーの現場から(502)

セラピーが進むと、やがて実力がつき、自分の真の問題が見えてくるようです。ところが、その問題の奥深さも見えてきてしまいます。そして、自分の問題を早く片付けたい、と思うようです。この「早く」が、実は、訳ありなのです。早く片付けたい時は何かを温存したい。早くやってその温存に手をつけさせないようにしたい。そして、その何かが温存されるが故に、結局は長引いてしまいます。それが温存されている限りは真の問題は解決しない、ということになるようです。

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お互いを失いたくない:それはなぜか?その背後にある何かをこそ|相互依存としての母娘関係(501)

「母を棄ててもいいですか?」(熊谷早智子 講談社)という本には、次のような意味の文章があります。母娘関係の相互依存から抜け出せない仕組みとして、母親側からは娘へ「あんなにしてやった」「こんなに面倒を見てやった」と刷り込みを行い、娘に「母に恩を返さなければならない」と思わせたい<娘を手放したくない>気持ちがある。他方、娘側には「母には自分<娘>への<本当の>愛情がないと認めてしまったら、<自分は>絶望するのではないか」と不安になってしまう<母を本当に失ってしまう>という気持ちがある。(なお< >書きはこのブログで追加)
お互いに、お互いを手放したくない、失いたくないという気持ちが背後にあるということだと思われます。このことは、弊社アコールの心理セッションでも常にテーマになるところです。では、さらにその背後には、何があるのでしょうか。手放し、失ったなら、何が起きるのでしょうか。言葉にならない領域です。ベビーブレスではその領域を味わうことができます。とても大切です。味わうことで大きな成長が起きてくるようです。

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「毒親」といって諦めたいのだろうか|心理セラピーの現場から(500)

スーザン・フォワードの「毒親」という著書から始まり、あちこちで「毒親」という言葉・概念が使われています。この言葉・概念は、< ひどい親のせいで自分は不幸な思いをしており将来もろくなことにはならない >という運命論だと批判され、そういう「アダルト・チルドレン」と呼ばれる人たちでも、たくさんの可能性があることに目を向けるべきだと論じられています(「毒親」のこどもたちへ 斉藤学  メタモル出版)。
確かに運命として諦めるのは早すぎると思われます。ひどい親だと攻撃するのは誠に無理もないことです。諦めてしまえば、辛いことに直面し続ける苦痛もいくらか減らすことができるでしょう。自分が「毒親」の世代間伝達(最近ではよく「世代間連鎖」と言われる)の伝達手になっている現実にも気が付かなくて済むかもしれません。しかし突破口も閉じてしまうのではないでしょうか。
ベビーブレスでは、そのような母子関係に強く気が付き、逆に、[今までは諦めて生きてきたけれど、気が付いた今は、絶対に諦めない]という心境になるようです。ひどい親のせいで、自分が不幸になり、今度は自分が自分の子供を不幸にするという世代間伝達(世代間連鎖)を、自分の世代で断ち切れる。そういう手ごたえを感じるからだと思われます。強烈な手法であるベビーブレスを手に入れることで、やれる、断ち切れると感じるようなのです。

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なぜ?死と背中合わせから温かい無条件の自分の命へ|体験談|心理セラピーの現場から(499)

東京の電車の中から富士山が見える場所がある。毎朝、通勤の途中に眺(なが)める。富士山のふもとの山中湖の近くにある研修施設。そこでの気づき。私の命は条件付きの命。役に立つことが生きていてもいいことの条件。そのように生きてきた。そのことに気がついた。さらに実は、役に立とうが立つまいが、本当はそもそもいらない子だった。それにも思いあったった。
その気付きから逃げないでいるうちに、今、条件なしの自分に居る。役に立たなくても自分自身だ。いらない子だけれど自分には温かいのがある。気がつけば、体がポカポカしている。富士山が見える度(たび)に、そのことを思い出す。毎朝そこで確認する。体が暖かい。
天気によっては富士山が見えない日もある。でもそこに富士山がある事は、見えなくても感じる。富士山が見えない日も、自分の事を感じられる。条件付きの命、いらない子、を通して、その先にまっすぐな死がある事を。そうして、その死と背中合わせに、温かい無条件の自分の命がある事を、感じられる。

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いったいどうすれば母子関係を突破できるか|心理セラピーの現場から(498)

私たちは心のトラブルを解決するのに、母子関係は避けて通れないようです。そして自分の母子関係を理解すればするほど、母を許すことなどできなくなり、どうしようもない母親をどうにかしようとして、絶望的な葛藤をし、ホントに絶望してしまうこともあります。
その絶望の様子を見て、次のような連想をしてしまいました。
自分の車が動かない。前の車(母親)がじゃまになっている。後ろにも車がいる。周りの車のせいで運転がうまくいかない。動けない。立ち往生しているうちに、時が流れ、やがて自分の車が故障している。エンジンが故障している。ガソリンが切れてしまった。昔は、前の車にじゃまされていたため動けなかったのかもしれない。前の車のせいでだったのかもしれない。しかし、今は、長い時間を経て、自分の車自体が故障してしまった。
さて、そうであるなら、自分の車を路肩に止めて、自分の車を修理しよう。周りの車を押して動かすことはできない。周りの車はもう廃車になっている。自分を修理して別の道を行こう。

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ブレスワークの最中には考えるのか考えないのか|心理セラピーの基本(497)

沖縄の花

ベビーブレス(弊所で開発したブレスワーク)のセッションで、隠れていた過去の重要な記憶が手に入ることがあります。それらはジグゾーパズルのように断片的です。カウンセリングでそれらの断片を精神分析的につなげます。つながって初めてことの全体が観えます。全体が観えてその人が変わります。
ところで、ブレスワークの最中には、「なんとか記憶を出したい」「出てきたこれは記憶なのか」、などと考えるのか。あるいは、考えるとうまくいかない気がするのだが、というようなことがあります。
簡単に言えば、ベビーブレスの最中では何も考えないことをお勧めします。ただ一心に呼吸をする。そうして溜め込んでいた感覚を吐き出す。出てくるものを、もっとたくさん出すように、努める、ということです。考えると、心理操作が活発になり、それは防衛になってしまいます。溜め込んでいたものを何とか出さないようにする防衛が働いてしまうのです。だから考えない。感覚だけになる。それがコツです。
ベビーブレスが終了した後では、頭を使い、出てきたものの中から手掛かりを探すことをお勧めします。手掛かりの中に、人生早期の記憶の断片が隠れていることがよくあります。大事です。できれば、探偵シャーロックホームズのように、鋭く考えなければなりません。考えて、つなぎ合わせ、謎を解く。感覚を研ぎ澄まして考えることが役に立つと思われます。

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496 女性は濃い関係性がゆえの温かい大きな理解にたどり着く

心理セッションやグループカウンセリングに立ち会わせていただいて、感じることがある。男女の違い。男性や女性がそれぞれ示す、人との関係性。
女性は、親や子供など人との関係性の中に、自分の問題の解決を見出そうとする傾向が強い。男性はその傾向は弱い。
自分の問題が、人生早期の母子関係にあることが分かってくると、さらに、その理解を深めようとする。深めることができれば問題がひとりでに解消する。ところが、人との関係性の中にこそ問題解決があるとする気持ちがあまりにも強いと、どうにもならない母親をどうにかしようとして、大苦戦する。ほとんど自滅の方へ向かおうとする。それほどの強い傾向は必ず女性が示す。男性はそれほど強くない。
関係性があまりに強いと、一人になれない。そういえば、禅寺の坊さんは皆男性だ。禅の修行は、個的な作業で、ほとんど一人ぼっち。尼寺の数はとても少ない。
なぜだろう?この男女の違いを見るにつけ、その原因を想像することがある。ほとんど確信に近い。人類はたかだか数千年以前は母系社会だった。何万年も、あるいはもっと何百万年もの間、女性は家を支配し、常に家族の中心にいた。人類へ進化する以前は、ハーレムなどのグループの中にいた。常にメスの周りには仲間がいた。
男性は違う。父系社会は高々この数千年で、それ以前は母系社会の中で、冷や飯食いだった。家族の中心にはなれなかった。人類へ進化する以前は、ハーレムなどのグループの中に居られたのはごく一部のオスであり、他のほとんどのオスは、離れオスとなって、グループの外で単独で暮らした。オスの周りには仲間がいないのが常だった。一匹で死んでいくことがほとんどだった。
子づくりにおける男女の違いも、関係性の違いに、大きな影響があると想像される。女性は、長い妊娠期間をすごし、お腹の中の胎児を感じながら暮らす。自分の血と肉で胎児を大きくする実感を持つ。子が産まれた後も、自分の体の一部(乳という形で)を与えて、大きくする。何年もの間、自分の体に、子の温かさを感じ、子のあまい匂いを嗅ぎ、子のやわらかな動きを感じて過ごす。子の動きに応え、子の泣き声に応え、子の雰囲気に応える。自分のこと以上の世話をして過ごす。子への支配を子は一身に受け取る。ほとんど母子一体の長い期間を過ごす。子(人)との関係性は非常に濃い。
男性は違う。極端に言えば、受胎期の一瞬だけしか関係しないこともある。
ところが、そんな濃い関係性を持つ女性が、苦戦を乗り越えて、理解を深めると、男性には無いような、温かい大きな理解にたどり着く。周りの人を全て包み込むような温かさ、大きさがある。関係性がゆえであろう。

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