私わかった!2/3|アコールセラピーの現場から(708)

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③ <振り向かない母親>

<H>
はじめの頃は、彼女は自分のパニック障害が母親と関係があるなどとはわからなかったと思います。セッションが進むにつれて自分の心の中に引っかかりがあり、それが③の<ふりむかない母親>という形で思い出されました。いくら自分が母親の愛情を求めても、母親は振り向いてもくれないというイメージです。扱いたくない母親との関係を、ようやく扱うようになるきっかけといってもいいと思います。
<W>
これで前進することができるという場面です。

④ <泣き叫ぶ自分>

<H>
泣き叫んでいる自分は、母親との関係で泣き叫んでいます。母親の関係が非常に大きいとわかってくる段階です。
<W>
上の③の絵は、子供が笑っていますが、無理して笑いかけているのでしょうか。無事にしたいのでしょうか。④の絵は、大泣きしています。本音ですね。

⑤ <おいて行かれた恐怖>

<H>
暗闇の中に簡単に小さな自分が描かれています。母親との関係を探っていくうちに、ある時、母親から自分が置いていかれた事件を思い出します。その時の恐怖を描いた絵です。この恐怖が後になってパニック障害につながっていることが徐々にわかってくる糸口のような絵です。
<W>
置いて行かれた事件についての恐怖ですが、さらに探っていって、単にその事件だけにとどまらず、自分を置いて行ってしまえるような母親への恐怖が、背後にあることがわかります。次の絵が、それを暗示します。
<H>
彼女の場合には、長い間、暗示にとどまっていました。

⑥ <襲い来る恐怖=死>

<W>
上の④⑤の恐怖がどれだけ大きなものかという事を示す絵(⑥)です。まるで大きなモンスターに小さな赤ちゃんが追いかけられている感じがよく出ています。赤ちゃんがとらえた恐ろしい死のイメージです。パニック障害のからくりを示すような絵です。
<H>
モンスターにパクっと一口で食べられそうです。

⑦<感情をなくして耐える自分>

⑧ <分裂して耐える自分>


<W>
小さな赤ちゃんにとって、⑤⑥のような恐ろしい恐怖に耐えられるはずもありません。
<H>
まるで荒野に一人ぼっちになって背後に巨大な肉食獣(モンスター)が忍び寄って、今にも食べられそうな恐怖です。
<W>
肉食獣なら、まだ、いい。母親です。耐えられません。
<H>
ほんとに。
<W>
感情をなくして、怖いという自分を味わわないようにして耐えます。⑦はそのころの無表情な自分を描いています。表情がないどころか顔が書かれていません。まるで自閉という状態を暗示するようです。
<H>
自閉して無表情になって耐えようとするんですね。
<W>
しかしそのように感情をなくすだけでは、十分には、本当に恐ろしい恐怖には耐えられません。自分を分裂して(⑧)何とかやりくりして耐えようとします。明るい自分と、そうでない闇の自分です。そうすれば闇の自分は横に置いておいて、明るい自分として楽しく過ごすこともできるようになります。そのようにして何とか生きていきます。
<H>
そのようなものすごい恐怖は、置いて行かれた事件(⑤)というだけでは、説明できない。ほかの部分(③④⑤⑥)も併せてみると、母親への恐怖ということでしょう。
<W>
自分の生命のすべてを支えている母親自身が、実は、死の恐怖の出処でしょう。
<H>
全体としては示されますが、ずばりの絵を彼女は、描いていません。
<W>
わかりたくない、というのがトラブルの中心にある芯かもしれません。はじめの絵(①)の彼女自身の説明にもある子供に対する思いの揺らぎようなものが、母親に対する思いにもあるように感じられます。
<H>
わかりたくない揺らぎですか。

<<続く>>

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