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241 自分を否定し母を愛した|母の愛情を求めてきただけではなく、最初に私が母親を愛した

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自分を否定し母を愛した
何年も前に、ブレスで私が見たものは母のお腹にいる自分でした。私は母に「私は生まれない」と決めます。なぜなら、母親の苦しみがあまりにわかるからです。私の存在そのものが母を苦しめる。生きている私そのものが・・。
そして私はその時、母親に自分がとても深い愛情を感じている自分を見つけるのです。
それはもうとてつもない愛情なのです。今もその時のことを思い出すと泣けてきます。そもそも愛情豊かに育てられていない母親に「私はあなたを愛していた」と伝えたかったと今思います。産みたくない母親の気持に100パーセント私は沿います。
ただ泣けてくるのです。こんなに母を愛している自分に泣けて泣けて仕方ないのです。
でも私は生まれてしまうのです。母自身の言葉で「生みたくなかった。まわりが『死んだ子の生まれ変わりだから産め』と言われ仕方なく産んだ」と聞いています(*幼い姉二人が船の事故で亡くなり遺体が上がらなかった)。生まれた私は自分を否定しながら、そしてまわりを否定しながら生きてしまうのです。この矛盾にこの現実に涙が止まりません。
ブレスのあと私はその場から立ち上がるこもできず、うずくまったまま、皆が散歩にでるあとをぼーとしながら歩いたことを、今も鮮明に覚えています。見上げた空が青かったこと、泣きながら見上げた富士山、湖の水、何も言うことはありませんでした。何を言う気にもなりませんでした。
それからはそのことが私の記憶の繰り返しでした。しかし私の中では大きな逆転でした。母の愛情を求めてきた、それだけだったと思っていたのに、違う、最初に私が母親を愛したのだということが、です。私が私の命を自ら否定したのだということ・・。そこには確かな自分がいたのです。否定の意味がやっとみつけられた思いでした。
自分の意志があったのです。私はやっと自分を見つけたと思えたのです。
満足でした。これまでの何者にも代えがたい満足でした。それこそが自分でした。これでもう生きていけると思いました。不思議なことでした。自ら否定した命なのに、生きられるかもしれないと思えたことが・・。
*最近になって、またセラピーを受けたい気持ちが出てきたが、「覚悟はいかに」(足りない殺意、死のエネルギー)と問われ、自分でも何かすとんと落ちないものがあり、中止した。

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