332 全体とポイントで統合へ
グループカウンセリングの現場で、話がバラバラな時には統合をする努力をすることが大切。本人も、その場にいる人も。その過程で徐々に意識に統合が起き改善が生じるから。
数少ないいくつかの一見バラバラな話をすることがある。その短い時間に、そのいくつかの話を選んでしたのは、その本人であるから、それなりの意味があると思われる。その隠れた意味を探るのが重要。見えない糸でつながっている、その糸を見つけようとすることが重要。そのためには全体を見る必要がある。
例1
ある人は3つのバラバラの話をした。職場で同僚と口喧嘩をしたが、いつになくやり返すことができた。自分もそろそろ結婚をしたいが自信がない。自分がリーダーである職場の売り上げを伸ばさなければならない。(後半の2つは珍しく積極的な雰囲気だった。)3つの話には表面的にはつながりがない。しかし全体をまとめてみると、実は、同僚にやり返すことができたように、自分がより積極的になることができれば、結婚もでき、売り上げも伸ばすことができるのではなかろうか。それができていない自分がじれったい。あるいは、できそうな自分がうれしい。これが隠れている意味、隠れている糸なのかもしれない。
たくさんのバラバラと思われる話をすることもある。真の感情は乏しい。たくさんすぎて全体が見えにくい。隠れた糸が複雑で、見つけにくい。そういうこともある。多弁で(極端な無口よりも助かるが・・)、話がまとまらない、順序だてて話ができない。整理して話ができない。でも本当に言いたい事はそんなにたくさんはない。多分1つのはず。ポイントは1つ。そのことに意識を向ける。そうすれば感情とともに表現できる。その感情が重要。感情伴うその中心的なポイントとともに、周りがまとまっていく。全体がまとまる。統合へ向かう。
例2
ある人は、職場の話、家庭の話、仲間の話、親子の話をする。話が広がりすぎて全体は見えない。その中で職場の話のときに感情がやや見られた。職場の部下に(その人の)母親をおもわせる女性がいた。そこで、そのことを中心に話をしてもらう。はっきりした感情が見られるようになる。やがて全体を見通せる一本の糸が見え隠れし始める。そうして全体がまとまる兆しが表れる。
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