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対談(631)について|大きくヤマを越えて1/3|セラピーの現場から(635)

対談(631)について(敬称略)
林:また、大きくヤマを越える人が出てきましたね。
諸智:自分の問題に向き合い続けるというのは、できそうで、なかなかできないものです。
林:<何が起きたのか>の「後々、気になっていた」「それもしっくりこないでいた」というのは、自分の感覚で自分の中を探るというのが、はっきり出ていますね。
諸智:奥の方に納得したいという感覚がある感じです。
諸智:<殺意を強く抑圧し続けるのでストレス>というのは大きくヤマを越えたから分かるようになったことで、超えるまでは分からなかった。ストレスだけは分かっていた。「分厚い蓋」はなんとなく分かっていたが、その原因である「殺意を強く抑圧」していることは分からない状態がありました。
林:その分からない状態で「殺意」というヒントを逃がさず、逃がさなかったので「殺意⇒猛烈な強い怒りのエネルギー⇒母への殺意」ということを観(み)抜きましたね。
諸智:逃さなかったのも、納得したいという感覚の現れのような気がします。観抜いて自分で納得できて、だから、こころが開きました。
林:「自分の中のエネルギーが湧き出す体験をした」ことは、そういうことですね。蓋が取れたと言っていいと思います。

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涙が溢れて止まらない40年前の中学校を昨日卒業した|セラピーの休憩時間(525)

凄いことが起った!!昨日の息子が中学の卒業式だった。父親である私も出席した。でも、それは、まるで自分自身の卒業式だった!涙が溢れて止まらなかった。やっと自分が、この〇〇中学校を卒業できた。
40年近く前に、私がこの〇〇中学校を卒業したときのことを、その卒業式を、私はまるで覚えていなかった。当時、私は、シングルマザーで病弱な母に育てられ、進学する経済的な余裕はなく、母の不安定な心の状況をそのままもらって、心の余裕も全然なかった。ほとんど一人で社会へ出ていく心細さに、耐えられない気持ちだった。不安で怖くて、友達も先生も卒業式会場も何もかも全く覚えていなかった。ただただ真っ暗な空間に包み込まれて、おびえているひ弱な自分がいるだけだった。
その後、セラピーを重ね、自分の中に隠れていた怒り、恐怖、不安、母親への隠された心情を扱った。そして最近、徐々に、自分の本当の姿を味わうことができるようになってきた。感情が甦り(よみがえり)、家族への愛情が自然に湧くようになっていた。
そして昨日の卒業式の会場!!広々とした思い出の詰まっ体育館、一緒に過ごした友達の顔、優しい先生達、懐かしい学校の匂いなど、当時の感覚でよみがえってきた。不思議!当時の私がそこに居た。昨日、友達と楽しそうに絡む息子は、実は私だった。40年近く前にはできなかったが、本当の私は、まさに、そのようでした。それが本当の自分の姿でした。
今もまだ、思い出すと涙が溢れて止まらない。自分のこと(セラピーを通しての自分の探求)やっててよかった。本当にありがとう。

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481 「いらない子」を受け入れたい

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私の根っこは「いらない子」なのだが、すぐに忘れる。忘れて頑張ろうとする。頑張って役に立って、いてもいい子に、昇格したい。「働けよ、役に立つために働け」と自分が自分自身にやられる。それだけでなく他人にもやる自分がいる。「いらない子」を受け入れられないのだ。
ベビーブレスの吐き出しのときに、凄く抑えている自分がいた。抑えている自分がいて、その自分が空っぽになる感じ。抑えて何もない感じ。しばらくそこにいたら、私自身に「お前なんかいらないのに」と言われた。それは知っている事でもあった。自分ができても(妊娠しても期待していたようには)何も変わらない母は、「お前なんかいらない」という。お前なんかいらないと言われて「そうだよね」と空っぽの中が受け入れて温かくなった。いらないけど、別に役にも立たないけど、ただただ温かい自分がそこにいた。条件付きの命を感じるのでなく、確かに親はいらないけど、私自身は温かかった。温かい私自身がいる。
役に立たなくても自分自身だった。いらない子だけど自分は温かいのがあるという感じ。今温かい。

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480 本来の父は人間でした、嬉しいです

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私の母は昔、父の女性問題や暴力で苦労しました。その後、私が14歳の頃に、父は母とは離婚し、私は父方祖父母に引き取られました。私は24歳の頃に父から理不尽な暴力を受けたのがきっかけで、その後縁遠くなっていました。
そんな父も今は年老い、私が看(み)取ることになりました。5日前から父の最期を看取るために病室に泊まり込んでいます。医者にいよいよ峠だと言われて泊まり込みましたが少し持ち直しました。
癌末期なので緩和ケアのホスピスです。病室は死に向かう穏やかな空間を作りだし、初めて、本来の父と出逢ってます。まるで(ベビーブレスの後で瞑想する時間がある)ブレスルームのような空間です。24時間が瞑想的です。窓からは光が差し込み 穏やかに時間が流れ、私の愛情が溢れでる、、かけがいのない時間とは こんな時間の事をいうのか、、そんな風に感じています。
父は、不安、1人ぼっちの恐怖、寂しさ、甘え、全てを出しています。赤ちゃん返りして、自由自在に甘えられています。父は私が片時も離れる事を許しません。ずーっと触ってあげてないと寂しがります。赤ちゃんのように敏感なセンサーが働いています。 15秒ごとに私が側に居るかどうか確認します。そして甘えます。
最期に本来の父に触れる事が出来ました。ベビーブレスで死に向かう体験をしてきて、経験があるのでどっしりと構えてられます。本来の父は人間でした。嬉しいです。穏やかに看とれる自分が居て本当に幸せです。
今日、父は、病室で68歳の誕生日を迎えました。本人はしんどくてもう無理だから今日死にたいと言ってますが、言葉とは裏腹に、まだ生へのしがみつきがある感じです。モルヒネと眠剤で今うとうとしてます。また報告します。

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473 私は逃げない

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お父さんも聞いてくれなかったじゃないか、逃げてばかりで、最後は本当に逃げた(家出し離婚した)し、祖母(父の母)もあんなに学童の送り迎えもしてくれたのに私に向いてくれなかったでしょ。祖母はおかあさんの事をあまりよく思っていないようで(私のことを父の子じゃなく)「おかあさんの子でしょ」と言っている感じがしてきて、「何で結婚許して子供を産んだんだ」と怒りが出てきた。祖母とお父さんはセット。二人して繋がって逃げて行って、何も話さないでおいて行って「ずるいだろう」と。「私は逃げないぞ」と。「逃げないでちゃんと自分の事を言うし、話せるんだぞ」というのが湧いてきて。
ベビーブレスを知らなかった今までは、つながりとかを捨てられたくない気持ちで、真実を知りたくなかったけど、今は、自分の本当の気持ちでいるから(お父さんに)会ってみたい。(父母のどちらが)良い悪いは置いておいて、真実を話せるのが大事だから(お父さんに向かっても)「逃げないで行くぞ」という気持ちが湧いてきた。そしたら穏やかになって、そんなに怒らなくても大丈夫だなと。穏やかな気持ちでスーッと横になれた。
私の子供の頃を思い出して、そう言えば、私が寝ている間にお母さんが買い物に出ちゃって、起きたら誰もいなくて、慌てて探しに出た事があった。アパートに住んでいたから(近隣の人に)保護されて一緒に待っていた。いざお母さんが帰ってきたら安心したけど、「怖かったね」とか聞いてくれなかったなと。それよりお世話になった近隣の人にペコペコしている。私より人に気を使っているんだなと、じんわり思い出した。でもお母さん、見捨てないでいてくれたなという気持ちもあって、大変だったなという気持ちもあるけど・・・。関係は親子でいてくれてそこは有難うという気持ちが出てきたけど・・・。

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422 どんどんと地団駄を踏んでいた

 

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前回のセッションでは、駄々っ子をやった。割にできた。でも母親が出てこなかった。暖かみも感じなかった。それから、実生活では怒りが出てきている感じがする。
産まれてすぐに預けられたことが影響していると思う。母親は私を産んですぐに仕事を優先し、2か月くらい私を両親(私の祖父母)に預けた。日中は母親はいなかった。泣いていても(母親は)いない。でも、幼い頃、母親に耳掃除をやってもらった記憶がある。
そこで今回は甘えのセッションをやった。でも、あまりうまくできなかった。母親を本当に好きなのか、と思う気持ちがあった。葛藤。甘えたいという気持ちがあるにもかかわらず、拒否されるんじゃないか、違うんじゃないか、と思ってしまう。挟み撃ちに会う。 しかし、自分の中の寂しさを感じることはできた。どんどんと地団駄を踏んでいた。涙が出た。良かった。

 

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413 寂しい底なし沼はピンクの底が見え美しく輝いた

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今までのセッションで、ジャケット(世間体を気にすることの象徴と思われた、色は白)を脱ぐことをやってきた。ずっとピエロをやってきたと思っていたが、その通りだと確信した。あるとき、もうピエロをしなくていいよという声が聞こえてびっくりした。セッションを始めた初期の頃に、セッション中に、理由のわからない叫びをすることがあった。あの叫びはなんだろうと聞かれたが解明しようと思わなかった。でも、自分がいらない子であることを見た時に、私の叫びはいらない子の叫びだったとストンと落ちた。自然にいった。すっきりした感じだ。
しかしその後は寂しい気持ちがずっとある。自分の中が空っぽになっちゃったという感じ。空だというと何もないようだが、「これが私」という自分になったのかもしれない。格好良すぎるが・・。言葉では言い表せられない。なにか静かなもの。自分が軽くなったが、今はまだ落ち着かない。不思議な気持ち。
いらない子とは分かっていたが、はっきり認めるのは大きかった。いらない子だったのですよと服を脱ぐようにしている。こんなに隠してきたのに脱いでしまった・・。でも生きている。呼吸をすると生きていると思う。今まで寂しい底なし沼のイメージがあったのに、その沼の深いピンクの底が見えた。その沼はとても美しく輝いて澄んでいた。寂しさは美しい。

 

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367 母との同一化とそのための死ぬような苦しみからの脱出

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ベビーブレスをした。お母さんの気持ちが自分にまとわりつくのが嫌。お母さんは、私に、「泣かないで良い子にして」欲しいという。それに嫌だと言っていた。お母さんの気持ちを自分の気持ちのように受ける状態にいたのに、お母さんと私は一体だったのに「どうしてやっちゃダメなの、どうして泣いちゃダメなの」と私。ワッと怒りが出た。全部お母さんが作ってきて(勝手に産んで)私はいない。私は母に飲み込まれ一体化してしまっている。
お母さんと私が一体になって、私自身を殺そうとしている。死んで欲しいと思ってる。無感情のまま思っている。苦しむ自分。自分はほとんど死んでしまったかのようだ。しかし、殺そうとした私が「この人たちは本当には殺せないし愛せないよ。何もできないよ」と言う。泣いた。凄く納得した。ぴったりきた。

 

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357 弱気な私で家庭は平和

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大きな気づきがあった。今まで気づかないでいたことに気づいた。その気づきがあまりに惨めで、言葉にできない。表現できない。ただ押し黙るしかできない。辛すぎて、認めることができない。プライドが許さない。
思えば、今まで私は、気丈(きじょう)に振舞って生きてきた。惨めを蹴散らして生きてきた。あまりに寂しいと死んでしまう。だから突っ張ってしまう。意地を張ってきた。気づかずに、無しにしてきた。無いから、怖いすらない。自分でわからなくしてしまう。
いつも気丈な私が、弱気になって、1日ため息をついていている。でも、頑張らなくていい。気を張らなくていい。凹(へこ)んでいて、すかっといい気持ちではなかったが、楽だったかもしれない。私は、家庭では静かな存在になってしまった。おかげで家の中が穏やかになり、家族は助かるかもしれない。この辛さを隠して気丈でいることで、人生のトラブルが起きていたとも考えられる。
でも私は、この辛さに耐えられるのか。人生で初めて向き合うような辛さ。

 

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186 許せない人|その人の辛さも引き受ける

道徳的なこととは違う、事実を見る辛さの話。
子を捨てる親がいる。物理的な子捨て、のみならず心理的な子捨て。捨てられた子側からの話。捨てられた辛さを無かったものにして、忘れて、懸命に生きる。しかし自分の人生の気がしない。自分の人生を取り戻すために、思い出す。辛さも思い出す。とても辛い。
しかし、それだけではない。事実を見る作業を進めると、やがて、子を捨てた親の辛さも体験することになる。捨てたのは、生活をするために、経済のために、やむを得ない選択。心理的にやむを得ない事情。
だから道徳的に自分を納得させて諦めろということではない。全く逆。辛さを2人分体験するという話。捨てられるだけでも辛いのに、捨てる側の辛さも合わせて体験する。真摯に自分の傷に向き合う人は体験する。母親は、血肉を分けた親子の情を、経済的な理由から断ち切る。愛情の少ない親でも、血肉の情は持っている。あなたをほんの少しでも育てたのであれば、それはある。あるのは事実。それを切る。残酷な話。辛さ、悲しさの2乗。
ただでさえ許せない人の、その人の辛さも、引き受けることになる。その人が仮に無意識のままであっても・・。その「辛さ」を引き受ける人は、本当に強くなる。

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184 ちっちゃい息子がニヤッと笑った|分かっている顔だ

瞑想して2歳少し前の頃(正確には1歳8ヶ月)の自分が出てきた。おしゃぶり人形を持って立って大泣きしている。隠されていた本当の自分。悲しみの自分。弟が生まれた頃だった。弟を世話している母が、自分のところに来ない。私は弟を殴った。母親にバシッと切られた。大泣きしている。母に心の中で捨てられたのだ。そいう記憶が蘇った。

ところが、この2歳少し前の頃の記憶が出てきてから、自分の子供(T男、同じく2歳少し前)が可愛い。完璧さを求める気持ちが消えた。ふっと思う。T男に「自分も我慢してきたんだから、我慢しろ」と思う自分と「可愛い」と思う自分がはっきりしてきた。悪い方(「我慢しろ」)を否定してきたが、悪い方もありだなと思える気がしてきた。両方があってこれが私だという気がしてきた。はっきりしてきた。
そうしたら私の気持ちに余裕ができた。T男に「さっきはすみません。八つ当たりしてすいません、これは私の問題でした」というとニヤッとする。分かっている顔だ。本当に自分の話をしようとすると、本心を言おうとすると、T男は私の顔をよく見る。心が通じる。

 

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177 俺にとってここが天国|死んだらここに埋めてほしい

 

 


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NHKのドキュメントを見た。アマゾンのジャングルの中で砂金を掘る男たちの話。法の及ばない場所。掘立小屋の住居。集まるのは、殺人の前科を持つなど町では暮らせない男たち。毎日が激しい肉体労働という以外は、ひどい生活を送る。実際にはほとんど希望はないが、皆、一攫千金の夢を見る。その中で、生まれ故郷はごみ溜めの中という男がいた。母親は売春婦で迷惑な妊娠だったという暗示的場面がある。男は穏やかな顔で言う。「教育は受けていないので字は読めない。母親には会ったことはない。会いたいとは思わない。俺には天国に持っていくようなものは何もない。死んだらここに埋めてほしい。俺にとってここが天国だ。」

175 あなたのもの2|桜の花が開くように

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あなたのもの2
遠い昔、あなたの欲しかったものは手に入らなかった。生きるに必要な<愛情>が手に入らなかった。
「手に入らない」ことに重点があると、袋小路になる。どこまでも癇癪を起こす。補うため他からの愛情を求めて限りなく彷徨(さまよ)う。本当の愛情が手に入れば幸い。しかし、なかなか手に入らない。手に入らないことに怒る。あなたの側にその<愛情>は湧いてこない。そのことにも苛立つ。永遠に迷ったまま。
他方「欲しかった」のほうに重点があると、やがて、あなたは開く。「欲しかった」ことそのものはあなたのもの。求める心はあなたのもの。求め開いた心はあなたのもの。遠い昔、手に入らなかったことは、外側の事情であって、母親の側の事情であって、あなたの問題ではない。あなたは、そのとき開いていた。桜の花が開くように開いていた。愛情が二つのものの出会いにあると思うなら、そのとき、一方のあなたは開いていた。その恋しさはあなたのもの。その愛(いと)おしさはあなたのもの。その美しさはあなたのもの。
手に入らなかった不満は、世界を宇宙を吹き飛ばすほど大きなものだった。あなたのエネルギーだった。あなたは妥協しなかった。1歩1歩前進した。嘘をつかなかった。そうしてこの地点まで来た。実は、あなたのものだった。今度は、そのエネルギーは、世界を宇宙を包み込むほどの大きな歓喜になる。開いたあなたが、宇宙に広がる。

 

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165 臭みと旨味の不思議ー魚料理も人間も似ている

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臭みと旨味の不思議
不思議なことがある。魚を美味しく煮付けようとして、臭みを取るために、日本酒や熱湯を使いすぎると、味わいがなくなり、何の魚だか分からなってしまう。美味しくない。そして、本来は臭みであっても、ほどほどにあることで、それが魚の味わいになる。

他方、臭みが十分に取れないと、魚臭くなってしまい、下手な料理になる。同じ魚なのに・・・。
人にも不思議な似たことがある。同じような心の傷を持っているAさんとBさんが居る。Aさんは自分の心の傷に気がついていない。傷に振り回されていて、それが傷のせいだとは気が付かない。Bさんは自分の心の傷をよく知っている。自分にはこんな傷がありそのためにこんなことをしてしまう、と話すことができる。Bさんは人間味があり話していてとても気持ちが良い。Aさんには誰も困ってしまう。「A」さんが、カウンセリングやセラピーをうけて、「B」さんになることはよくある。当たり前のようで、不思議、不思議。

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159 重要なのは感覚か理屈か ー 理屈でギリギリまで迫り、最後のところは感覚が仕留める 

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自分の心の謎を解き明かす時に、重要なのは感覚か理屈か。
感覚は言う。母親を「嫌いだ」。別の感覚が言う。母親を「大好きだ」。理屈は言う。それは「変だ」「どっちなのか」。
しかし感覚は間違っていない。2つの感覚はともに正しい。そのことがわからない理屈は、感覚よりも役に立たない。するどい感覚を持っている女性は、本質を見抜く。相手のことがわかる。共感が成立する。カウンセリングが成立する。
ところが理屈は、学ぶ。母親を嫌いでもあり好きでもあるという人は、たくさんいる。どうもそういうものらしい。そして、嫌いでもあり好きでもあると言うことが2つの感覚によってバラバラに認識されているらしい。そしてバラバラがやがて統合されることで、病気が治っていくのを目の当たりにすると、理屈は学ぶ。そういうものらしい。そうなれば理屈は強い。感覚に惑わされない。
感覚は直観的で強い味方。だから女性はカウンセリングに向く。カウンセリングに価値を見いだすのも女性。悩んだ人の話に、感覚的に共感することができる。分かり合うことができる。それがカウンセリングの本質。
では理屈は無用なものか。精神分析は理屈である。それでも精神分析は役に立つ。精神分析が最終的に引き起こす「洞察(どうさつ)」は、紛れもない感覚の世界。理屈によって、重要な感覚にたどり着く。
感覚は他の感覚によって乱され訳が分からなくなる。互いに反する感覚の群れの中に、あなたは失われてしまう。右も左も東も西もわからなくなってしまう。混沌。それが厄介。都合の悪い事は、別の感覚が押し隠してしまう。深く埋められる。あなたは分からなくなる。
理屈も間違う時がある。しかし、1度間違ったことに気がつくと、2度目からは間違わないことができる。理屈だからである。理屈は明快。感覚のような混沌とは一線を引く。
結局のところ感覚と理屈はともに必要。理屈でギリギリまで迫り、最後のところは感覚が仕留める。理屈が追い、もう逃げられないところで、最後に感覚が捕まえ包み込む。両方必要。

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156 なるほど~そういう事だったのか3/4その10

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<なるほど~そういう事だったのか>
母や自分の正体が知りたい3/4その10

まだまだ自分の正体など納得できていませんが、中間報告です。
今回の一連のブログで公開する原稿を作っていて、発見があり、納得する事が本当に多かったので、その事に対してはとても満足しています。今までを振り返って、少しずつ、なるほど~そういう事だったのか、と思う事がたくさんありました。
言葉に出す、文章に書く事の大切さを改めて実感できました。 まだまだ知る事が、知らなくてはいけない事があると思っています。さらに探っていきます。少しずつ自分の本当の姿になれるように、やっていきたいと思います。

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142 母の温もり…寂しい…

IMG_1256あのセッションから毎日、母の温もりを探しながら瞑想もしています。

表面的な想い出から、全て委ねていた事が当たり前だった頃の安心感・・・。

こんなに母が好きだったのにな・・・。

温かさを感じると同時に、深い寂しさが押し寄せます。

あらためて自分の子ども達にこんな寂しさを与えてきたんだなという懺悔の痛みがつくづくとやってきます。

そして子ども達を心の中で抱きしめています。

温かさを想い出してきてからは、小さい頃から馴染みのあった寂しい所に落ち着き始めたような安定感が出てきました。

 

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116 甘えられるようになった:あたたかい

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私は母親に甘えることができなかった。物心ついた時から、駄々をこねたり、わがままを言ったり、泣き言をいうことができなかった。ずっと肩肘を張って生きてきた。弱音を吐いたらいけないと思っていた。
思えば、頼りなくて、いつも不安を抱えていて、劣等感の塊のような母だった。兄が問題を起こすようになった。余計に私は良い子でいるしかなかった。私まで困らせるわけにはいかなかった。小学生の時から母親の愚痴を聞くことが私の役割になった。
山中湖で寸劇(セッション)をした。駄々をこねて、わがままを言った。ひどいことを言っても受け入れてほしいとお願いした。気持ちが良かった。良い子から解放されたようで、涙がとまらなかった。
それ以降、高校生の娘に甘えられるようになった。「もう疲れちゃった!」「もう無理」と言って娘に抱きつく。くっつきに行く。娘は無言で優しく撫でてくれる。すっかり調子にのって、くっつきにいくのが日課になった。<またか>と娘は思いながらも優しく受け入れてくれる。あたたかい。

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87 不思議ふしぎーイやな人イヤでない人

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長い間抑え込んでいた怒りや悲しみを、何とか表現することができるようになると、大きく前進する。しばらくは、前進の時期である。しかし、その後、停滞する場合がある。表現する心地よさのみが先に立ち、表現することだけが主体となってしまう。すると弊害が起きる。前進が止まる。いかりや悲しみのさらに下にあるものに対して、いつの間にか、避けるようになる。この回避を快く思わない人と、回避と仲良くなってしまう人と、二つのグループに分かれる。避けることは、イヤーな気持ちなのか、イヤではないのか。同じ人間なのに。不思議、ふしぎ。

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73 甘えは起きてくるー傷を深く見たとき

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甘えは重要である。自分が本当に甘えられなければ、子供の甘えを許せない。子供を本当に愛することはできない。

しかし自分が甘えることは難しい。セッションで甘えるしぐさ試みたり、ハグしたりすることさえ勇気がいる。勇気を出して「形」を演じる。物足りない。本当のことが簡単に手に入るものではない。甘えられない人は、小さい頃、甘えようとして拒否された辛い思い出がある。今更、甘えようとする事は、再び辛い拒否を受ける恐怖がある。そんなことは二度とできないことかもしれない。

甘えは自分を丸裸にすること。無防備にすること。相手に委ねること。心の中を許すこと。深くリラックスすること。やろうと思ってすぐにできることではない。自分の傷を深く見たときに、はじめて奥にある甘えを許すことができる。そうして初めて、甘えは自動的に起きてくる。甘えるのに努力が要らなくなる。

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65 何がおかしいのかもわからないーずっと辛かった

そのベビーブレスの後で家で瞑想した。出てきた自分の感情が、本当に思っているものなのかよく解らないという不信感があった。また昔、人に怒られることが多かったので、その人たちに対する不満が出てきた。
その不信感と不満の2つを認められた。不信感は薄らいだ。不満は、周りに怒られたって「そんなの自分が一番困っているのに攻撃されてもわからないよ」ということ。周りに責められても自分でもどうしてそうなっているのかアコールに出会うまで把握することなんて出来なかった。出来るわけがない。みんなは学校で教えられることや家族に教えられることを学んで生きれたかもしれないけど、私にはそれ以前にどうやって自分を肯定するのかわからない。自分はどうして普通に生きられないのかわからない。何がおかしいのかもわからなくて、どこに行けばそれがわかるのかも、わからない。教科書にも載っていなくて、周りの人も教えてくれなくて、治るのかもわからなくて、ずっと辛かった。

そんな中、よくここまでへこたれずにやってきたなと思っていた。頭の中で、そんな自分を誰かに知ってほしい、頑張ったことを受け入れて欲しいと思っていた。今回のこれで自分自身でそれを受け入れることが出来たので、人に求めなくなった分、気持ちが楽になったように感じる。

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2016-01-28 11.53.27アコールのブログを見る

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22 圧倒されて沈黙-生きていたことを感謝

過去の辛い記憶を扱うことへの批判がある。過去のことにとらわれずに前向きに「ポジティブ」に生きるべきだ。辛いことをせっかく忘れているのに思い出さすのは酷すぎる。などなど。

じょうずに説明するのはとても難しい。ひとつには、経験して初めてわかるという事情がある。言葉で説明してもなかなか伝わらない。あんないいことがある、こんないいことがある、と説明しても、むなしい。空がきれいに見える、人間関係がよくなる、などと言っても、本当には説明したことにはならない。外側の一部を触れる程度。その人の内面の実態が変わったことを説明できた訳ではない。経験したときに初めて、言葉が無意味であることを知る。圧倒されて沈黙する。わけもわからず涙しながら帰りの道を歩く。生きていたことを感謝する。だから、むなしいと感じても説明し続ける。

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11 不思議なことがある。辛い過去を思い出せる人、思い出せない人。

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不思議なことがある。辛い過去を思い出せる人、思い出せない人。はっきり分かれる。こころの傷の深さは同等のように思う。思い出せる人はどんどんよくなっていく。思い出せない人は行ったり来たりして、少しずつ良くなる。

よくなる結果よりも、むしろよくなっていくプロセスが重要。長いプロセスを経た人は、苦慮する人のつらさがよくわかる。粘り強くなる。後人のお世話を丁寧にする。プロセスがその人を育てる。

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