何で産んだの―問う娘|セラピーの現場から(673)

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<育児放棄>
私は結婚をし子供を産んだが、子供の面倒をみられない。何かに吸い取られたように体が動かない。そんな自分が嫌だった。嫌だったけど、どうにもできなかった。育児放棄をしてしまった。
<子供への殺意><私もまた私の事しか考えていなかった>
その事で娘に深い心の傷を負わせてしまった。母と同じように私もしてしまった。無性に殺意が湧き上がり、娘を殺す想像を何回もした。娘に対する怒り、殺意がある。湧き上がってしまう。
私の中の母に対する殺意、そして自分自身への殺意が、弱い立場で守るべき我が子に向かってしまった。今でも深い傷のある娘は、自分の意思を私や第三者に伝えられない。怖くて言えないのだ。
そういう風に自分の意思を抑え込むという事を私が教えてしまった。私も母と同じように私の事しか考えていなかった。
<何で産んだの―問う娘>
娘が小学校低学年の頃娘に聞かれた。泣きながら、怒りながら私に質問してきた。
『何で産んだの?』私は一瞬戸惑った。この時セッションをしていたので自分自身の怒りや殺意など多少は味わっていたので娘に話した。だけど、娘は納得したような感じがしなかったし、私自身も気持ちが悪かった。
<私の存在を認め慕ってくれる存在が欲しかった―心からの愛情なんてなかった>
今ならこう答える。私を絶対に裏切らずに、私の存在を心から認め慕ってくれる存在が欲しかったから。娘の事なんて何一つ考えていない。私が、生きる為に、私が人の生死を握れる為に私の為に子供を産んだ。私の中の被害者意識で産んだ。母と同じ事を娘にしてしまった。心からの愛情なんて一つもなかった。
<無力で弱い私のまま泣けた>
セッションを進め、私の見捨てないで、置いていかないで、1人にしないでという心の傷を見る事で、母に見捨てられるという寂しさ、そして私自身も私を見捨ててしまったという感情を味わい寂しくて、無力で弱い私のまま泣けた。泣きながら吠えたような感じだった。私の全身で感じた寂しさだった。
<絶望もなく全部ひっくるめて理解しているような感じ>
その寂しさの中にいると光もない真っ暗な何もない所にいる。そこは怖いや、寂しいなどを通り越したような感じで安心する。弱くても良い、情けなくても良い、無力でも良い。絶望なんてものはなくて、ただ真っ暗の安心できる所だ。それは私の事を私が全部ひっくるめて理解しているような感じだから安心するのかもしれない。この真っ暗な寂しさの中に、自分から瞑想で入って行けるようになった。
<許せない-母に植え付けられた死や恐怖>
私が弱くても無力でも良いと私が許せても、絶対に許せない事がある。
それは母に植え付けられた死や恐怖。絶対に許せない。絶対に嫌だ。母に否定され、邪魔にされ、母が生きる為に利用されるのだけは絶対に嫌だ。認められない。そんな死を私は毛嫌いしている。
<<続く>>

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