皆殺しの別の人格|原因は母からの殺意|再び「思い出せない記憶がある」に復帰|セラピーの現場(590)

私には、どうしても、すぐには思い出せない記憶がある。自分自身が持っている殺意に関係する記憶だ。思い出せないのは、どうやら、その記憶を受け持っている別の人格があるためのようだ。その人格をに出てきてもらって、なんとかセラピーを前進させたい。ところが、それがうまくいかない。
その人格が出てこない理由を探った。その人格は宇宙全体を破壊したいというような皆殺しの殺意を持っており、出てくると、周りや社会に迷惑をかけるから、と思った。でも本当の理由とは違うようだ。
本当の理由はこうだ。その人格が出てくると、その人格が持っている記憶を、少なくとも少しは私(現在の私)が引き受けなければならなくなり、その記憶の重さに耐えられないからだ。つまり、その人格が持つ殺意に関する記憶1を表に出すと、そのような殺意を抱くようになった原因となるできごとの記憶2も引きずられて表に出てしまう。母から殺意を抱かれたというできごとだ。こう思うことも、ほとんど一瞬で、時間がたつと、再び元に戻り、「すぐには思い出せない記憶がある」状態に復帰する。

******************

ホームページの記事もどうぞ⇒実績紹介>ケース研究

自社施設紹介