何十年も隠してきたもの|怒りの破壊のエネルギー|セラピーの現場から(537)

グループカウンセリング。みんなの前で決して出してはならなかったもの。自分でも意識するのが難しかったもの。それを初めて出すことができた。激しい怒りの、破壊のエネルギー。世の中全体に対する怒り、世界を破壊するようなエネルギー。それを閉じ込めるために、自分の意識をバラバラにしてきた。長い長い間、閉じ込めてきた。何十年も隠してきた。
それを出すと逆に自分が叩きのめされると感じていた。ところが出しても何も起きなかった。みんなは静かに聞いていてくれた。みんな誰も変わらない。それは不思議なくらい。自分が怖がっていただけだった。あっけなかった。
出せた後の数日は夜の眠りが浅かった。興奮していた。しかし数日経って徐々に眠れるようになってきた。不眠が治り、リラックスしているのが自分でわかる。体の力が抜けてぐっすり眠れ緊張がなくなっている感じがする。自分に正直とはこういうことかと思う。とはいうものの、今まで隠しているつもりも嘘ついているつもりもなかった。出してみて初めてそうだったのかと思えた。
エネルギーを出すには勇気がいったけれど、出せてよかった。あの破壊のエネルギーは赤ちゃんの頃からずっと今まであったということが体感できた。
せっかく出せたのに後戻りしないように、できるだけ毎日瞑想して思い出している。瞑想中に匂いがした。ご飯が炊きあがる匂い。それまでは炊き上がりは電子音でわかっていただけ。そういえば小さい頃から匂いに対して自分の感覚は閉じていた。それが蘇ったかもしれない。

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