実は分かっているけれど・・?|現実的トラブルの勃発と自分の問題を見るチャンス|心理セラピーの現場から(505)
心理セッションを受けて、短期の内に、当面の目標に到達する人もいます。しかし、当面の目標には到達したものの、更に深く自分の問題に着手する人も多くいます。ひと月に一回、あるいは数か月に1回の割合で、心理セッションを受けます。長い期間、続きます。
その長い期間の途中で、生活の中で突発的な現実的トラブルが発生してしまうことがあります。肉親の病気、事故、死。一時的に経済的負担のかかる事柄、などなどです。
これら現実的トラブルの解決を優先させるため、心理セッションを休もうとする人もいます。深い自分の問題に直面し続けるのにエネルギーが要り、さらに、現実的トラブルに対処するのにエネルギーが要るので、どちらか減らせるほうを減らしたい、と思うようなのです。他方で、それらの現実的トラブルを、自分の問題に向かうチャンスだと見る人もいます。現実的トラブルで自分に精神的な負荷がかかり、そのため自分の本音がはっきりしたり弱点が明確になったりするので、自分の問題がはっきりするからです。
興味深いのは次のことです。多くの場合、自分の現実的トラブルが発生したときは、前者をとり、他人のときには後者を勧める傾向が強いことです。
勇気は出しにくいものの、実は、現実的トラブルの勃発こそ、自分の問題を見るチャンスだと、本当は分かっているのです。外側のことによって内側の自分の問題がより鮮明になる。外側のことで、ゆり動かされる自分がよりはっきりとする。普段はわからない自分の問題が現れる。だからチャンス。そう、実は分かっているのです。
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