投稿

本当は寂しいお母さん|セラピーの現場から(665)

解離性の状況を持つ女性:
自分を殺すお母さんと優しいお母さんの2つに分裂していたが、今回のセッションで、その間の寂しいお母さんが出てきた。死の受け入れがあった。死に迫られ憎悪を受け持つ人格が、これをきっかけに、小さくなってきた。
<H>
「寂しいお母さん」というのは良かったですね。本当の母親像ということでいいと思います。「自分を殺すお母さん」と「優しいお母さん」というのはどちらも母親の一部であって、本当の母親ではありません。二つを足したものが本当のものでしょう。
<W>
対象(母親)の分裂から統合へ、ということでよろしいでしょうか。
<H>
統合の方向へ、ということでしょう。統合とまでは・・。
<W>
そうですね。なかなか苦労していますから楽観的にはなれないですね。
<H>
はい。前進があったと思われても、揺れ戻しが大きいことがあるので、用心しなければなりません。
<W>
対象の統合へ向かったことで、本人も統合へ向かった気がします。死に迫られ憎悪を受け持つ人格が、小さくなってきましたので。これも楽観的にはなれないでしょうが・・。
そして、「寂しいお母さん」が出てきて「死の受け入れ」が起きたことも重要な気がします。いわば架空の世界で「優しいお母さん」に命をつないでいたものが、「寂しいお母さん」は実世界であり、いよいよ「死の受け入れ」なしには、実世界は認められないでしょう。というより「寂しいお母さん」と「死の受け入れ」はセットなのでしょう。つまり同じ価値を持つことなのかもしれません。そうして「死の受け入れ」ができるようになれば、人格を解離させて架空の世界へ逃避する必要もなくなるのでしょう。

*******************

セラピーを受けた人々からのgoogleの口コミを見る→iphoneは画面中央の「クチコミ」をクリック

引きこもりからの自立等いろいろな心理的悩み相談や心理カウンセリングのお試し無料あります。さらにベビーブレス(アコールで開発した独自のブレス,ブレスワーク,またはブリージング)ができるようになれば精神分析の組合せで大きな効果があります。東京府中

ホームページの記事もどうぞ⇒実績紹介>ベビーブレス体験

自社施設紹介

自分の中のKさんを忘れていれば母から殺されることも忘れられる|セラピーの現場(608)

<表現できた人格>
自分の中に、破壊を担当する人格があったが、なかなか今まで、その人格をセラピーの場で表現することはできなかった。今回それができた(*1)。3歳の女の子だ。名前をKさんという。まっすぐで自由で活発で強い性格だ。強いので、辛い記憶を一身に受け持ってくれるが、辛い記憶を原因として、破壊の衝動がある。
<なぜ表現できなかったか>
自分が幼い頃に母親から殺されかかったことが認められず、人格をかい離させて、対応したらしい。頭では分かっている。でも、今も完全には認められない。
Kさんの存在自体も忘れて、無いことにしていた。何故、忘れ、無いことにしていたのか。Kさんを忘れていれば母から殺されることも忘れられるからだ。Kさんが居ることになれば、セラピーの場の皆んなや母親を殺してしまうかもしれないからだ。だからKさんをやっつけ無くしてしまいた自分もいる。Kさんを殺したい。Kさんが自分の一部だと認められない。(自分一人の時などは)時々出てくるのに、認められない。Kさんを認めてしまったら怖い。気が狂いそう。凄い怖い。Kさんでない部分(主たる人格)の自分は、弱っちくって、辛くて、ガクガクする。弱くて、母から殺されることを、引き受けられない。
<その人格の気持ちは?>
おっぱい。おっぱいちょうだい。おっぱいが欲しいだけなのに。まっすぐにお母さんの愛情が欲しかっただけ。おっぱいの中身がなかった、空っぽだった(*2)。空っぽで何もなかったので母の乳首を噛んだ。殺されるのは出てこない(*3)。貰えないのは嫌だ。だから(母親を、みんなを、宇宙を)やっつけちゃう(*4)。
<あなたの今の気持ちは?>
空っぽのおっぱいを持っていると安心した。空っぽのおっぱい。これがあれば生きていける。大切な空っぽのおっぱい。「空っぽだ」と言うのがいい。愛情がない。何もない。今までは「ちょっとはあるだろう」と思い本当には認められなかった。「愛情がない」ということ、「ない」のが事実。おかげで、ちゃんとしなくて良い。楽になった(*5)。
Kさんは、母に愛情がなかったことを受けたら、気狂いになるしかなかった。気狂いだけど気狂いじゃない。どうしようもなかった。
(*1:セラピーの大きな一歩になると思われる)
(*2:実際のおっぱいは出すぎるほど出た、と母親は証言する。過剰なおっぱいの中には愛情がなかった、だから「空っぽ」だったという意味に解される。)
(*3:Kさんの人格で母親から「殺される」ことについての気持ちが未だ「出てこない」が、これは人格の統合作業が今からであるということを示しているように思える)
(*4:小さな乳児にとって母親は全てでありみんなや宇宙を代表するものなので「やっつけちゃう」ことは対象が特定されない抽象的な「破壊」になる)
(*5:「ちょっとはあるだろう」と思い「ない」ことを否定しながら生きることは辛かったが、「ない」事実を受け入れることができたときに初めて生きることが「楽になった」という意味にとれる)

*******************

引きこもりからの自立等いろいろな心理的悩み相談や心理カウンセリングのお試し無料あります。さらにベビーブレス(アコールで開発した独自のブレス,ブレスワーク,またはブリージング)ができるようになれば精神分析の組合せで大きな効果があります。東京府中

 

ホームページの記事もどうぞ⇒実績紹介>ケース研究

ホームページの記事もどうぞ⇒実績紹介>ベビーブレス体験集(本の内容)

自社施設紹介

自分の存在がなく世界の終わり|保育器で50日一人ぼっち|セラピーの現場(604)

<成育歴> 母は、私を妊娠中に、重い扇風機を箱の中にしまおうとして破水した。殺意があったのかもしれない。私は、羊水を飲んで溺れたような状態になったらしい。生後、この早産のため未熟児で、すぐに保育器と入院とで50日近く一人ぼっちだった。母は、私を産み保育器に預けて退院し、その後は実家に居た。母は出産で腰を痛めていたので、祖母が病院に支払いに行ったりしていた。母にそのころのことを聞くと、その腰痛のことしか覚えていない。母は、母の父に「年越すまでに(嫁ぎ先へ)帰れ」と言われたらしい。「何であんな人(私の父)と結婚したのか」と後に述べており、母は嫁ぎ先に戻りたくなかったのかなと思う。母は、病院に居る赤ん坊の私へ見舞いにも来なかったらしい。母自身は見舞いに行ったと嘘をついていた。私が退院する時まで実家に居た。私が退院すると、こんな「生後1ヶ月の赤ちゃんをどうしよう」と言っていたようだ。ようやく母に会えても迷惑がられた感じがする。小学生になっても、母は、私の話を聞いていない、見ていない、信じていない、傾向があった。私は、言い返せなくて悔しい思いをした。

 <自分の中の二人> 胎児期から十分に月満ちるまで居させてもらえず未熟児となり、産まれてもそのまま一人ぼっち。その後も薄幸。大きな大きな傷。傷が大きすぎて、傷を観るのが辛すぎて、セッションを続けられるかどうか迷う。自分の中に二人いる感じ。 続けようと思う人はA子。セッションでの気づきが面白い。続けたくない人はS子。怖い。小さい頃、一人遊びでこの世の終わりのような劇をやっていて、すごく怖くなった。ワーッと夜中でも叫び出すくらいのがあった。そうなるのは今でもある。太陽が爆発して地球がなくなるというかなり未来の話も、ドキドキして怖い。自分の存在がなくなる、世界の終わりの恐怖。

<セッション> セッションは、二人が引っ張りあってなかなかうまくいかなかったが、何とかこなし、足が冷たいことが認識された。冷たい=怖い=捨てられることと自己解釈した。保育器に入ったことは捨てられるのと同じ。自分の存在を認めてもらえない、月満ちるまでいなかったことも捨てられる感じ。存在が消え、全て捨てられる恐怖に包まれている感じ。「悔しい」という気持ちも出る。しかし、生きた真の感情がなかなか出てこなかった。 後のセッションでS子の言い分を聞いた。「(セッションするなんて)よけいなことしやがって。誰のおかげでここまでやって来れたのだ。」防衛して我慢して生きていく、なんとか生きていく、その働きがS子。怒りの感情が爆発した。火の玉。感情が前面に出た。「気持ちを殺して、頭を使って生きてきた。今のまま、自分のことをわからずに、ロボットのようにして、はじめて生きていける。その私(S子)を無くすのか」今までS子が引っ張ってきて生きてこれた。

*******************

引きこもりからの自立等いろいろな心理的悩み相談や心理カウンセリングのお試し無料あります。さらにベビーブレス(アコールで開発した独自のブレス,ブレスワーク,またはブリージング)ができるようになれば精神分析の組合せで大きな効果があります。東京府中

ホームページの記事もどうぞ⇒実績紹介>より詳しいベビーブレス体験

ホームページの記事もどうぞ⇒実績紹介>ケース研究

ホームページの記事もどうぞ⇒実績紹介>ベビーブレス体験集(本の内容)

自社施設紹介