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323 「嘘つき大嫌いだ」:エネルギーが弾けた

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私にはなにか引き離されるような恐怖があった。自分で立てていない感じがあった。大きなものにひっついていたい。その恐怖を突き詰めて自分を見つけていきたい。
女であることを堂々と主張できない気持ちがあった。そのことに怒りがある。自分が結婚するときに母親になかなか言えなかった。謎だった。
実は、母親は私を身ごもったとき男だと期待していた。女である私にがっかりした節がある。私の兄弟の上と下は堕胎されている。自分の場合には男かもしれないと言うことで産んでもらった。そのことを母親は隠していた。お前は「特別な子」だったと言うだけだった。
セッションでその隠していたということがわかった。母親を「嘘つき大嫌いだ」と言った。すごいエネルギーが弾けた。ずっと、母親のことは大好きだと思い続けていた。
母親は男に負けずに、男以上の能力を発揮して働いてきた。当時珍しい運転免許を女の身で取得し、車を操って仕事をこなした。男兄弟3人は人生を全うできなかった。その不幸をはね返すように、すごく強くなっていった。強くならざる得なかった。女性としての幸せでない。男のようなイメージの母。周りの男は不甲斐ない。母は期待されて生きてきた。母は思った、人に頼るんじゃなくて自分だからと。母の中心の部分に私は入れてもらえない。
謎が少し解けた気がする。

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322 ただ女と言うだけで・・

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太古の昔は母系社会だったといわれる。しかし、現代は男社会である。男社会の中で生まれた男の子は期待を集めて生きていく。半面、女の子はただ女と言うだけで冷ややかな扱いを受け、そのせいで不幸な人生を送る、と思われている。しかしそればかりではない。そのような社会的期待をかけられるか、かけられないか、というようなことだけではない。根は深い。そもそも人間的に扱われたのか扱われないのかということが重要のように思われる。女の子が人間的に扱われなかったのであれば、仮に期待を集めた男の子だって、人間的には扱われなかったはずである。期待だけだったはずである。期待外れの場合はどうなるのか。その不安の渕(ふち)にいたはずである。人間性とは遠い価値観が支配している。

 

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