スタッフ対談|傷を観たくない|セラピーの現場から(663)
スタッフ対談
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いろいろな心理的な不具合が、心の傷を、押し込めたり、無かったものにしたりすることで、起きてくる。そのことは、ブレスワークを通して心を分析する現場では、ほとんど明らかなように思えます。そして、心の傷の正体を自身で自覚できることで、不具合が回復するという事実が、そのことを自明のこととするように感じられます。
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そうですね。セラピーの参加者も、そのことは自覚できるようになります。でも、実際には、なかなか難しいですね。理屈では分かっていても、心が付いて行かない。そこにセラピーの成否がかかります。
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傷を自覚できない、「観たくない」ということですね。観ることができれば進み、観れなければ留まることになる、と言えますね。
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心の傷に触れることは辛いですから。母から本当は愛されなかったなどのことは、やはり辛いです。だから自分でも触れないように、ついつい、無かったことにするのです。
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セラピーが進み、ここ一番というときに、傷を「観たくない」と明言する人もいますね。ドロップアウトするのかな、というギリギリに立つ人もいますね。でも、明言しても、本心の本心かどうかは分からない。参加者本人も分からない。こちらも分からない。そういう面があります。「観たくない」と明言した後で、かえって、どんどん進んでいく人もいます。
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ほんとに観たくないのなら、観ないまま「健康」に生きていけばいい。それでは何か気に入らないし、何かがうまくない。「健康」ではなく「病気」になってしまう。そこが人間の凄いところ。ほんとのことを知りたいし自分に嘘をついて生きていきたくない。
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そうですね。そもそも病気になるという事はどういうことか。奥の方では求め続けているということ、「このままではいやだ」と言っていることのように感じます。人間の素晴らしさがそこにあると思います。
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