234 「自分自身の存在がない」のだと感じ取れた|「甘えたい」と心の底から叫ぶことができた

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セラピーでの最初の強烈な体験は「つらい!」とほえるように叫べたことだった。しかし、すぐに、何を叫んだのかも思い出せなくなっていた。何が辛いのかも、誰が辛いのかも、わからなかった。その後の体験でも「つらい!寂しい!」だけだった。何がはわからなかった。謎だった。
子供との関係はよくなかった。子供は、私に激しく反発し、私から「愛情がもらえなかった」といい苦しみ続けた。子供や孫が辛い人生を歩んでいるのは、「お前のせいだ」と子供に責められつづけた。そう言われても、なぜそう言われるのか分からなかった。「わたし(子供)なんかいらなかっただろう」と言われても、全く覚えがなかった。子供の怒りにどう接すればいいのかわからなかった。子供が苦しんでいるので、謝れと言われればいくらでも謝りたかったが、何を謝ればいいのかわからなかった。自分の感覚は、ただ、「わからない」と言う感覚だった。それだけでなく「わからない」ということも、なにか人ごとの感じがしていた。
ところが最近のセラピーで、「わからない」と思っている人格が登場した。私の正体が「自分自身の存在がない」のだと感じ取れた。嬉しかった。前へ進んだ。それまでは、正体のわからない、つらさや寂しさに、むなしく潰されていくだけだった。それが、違ってきた。
それとともに、私は<甘えたい>というはっきりした欲求が出た。初めての欲求だった。「甘えたい」と心の底から叫ぶことができた。やがて、「なぜ甘えさせてくれないのか」という強い怒りが出せた。初めての怒りだった。積極的な感情だった。大きな前進だった。 セラピーの翌日、疲れているはずなのに、意外にも、体は動き家事をこなしている自分が居た。

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