210 介護が困難になる人たちに何が起きているのか|幼い頃のつらさ
老人介護の現場を扱うケアマネさんたちの業界の話を聞いたことがある。介護が困難になる人たちがいる。
介護のシステムがうまくはたらかなくなる背景に、人間関係の崩壊がある。家族や親戚の支援を受けられず、また、受ける気もない。経済が破たんし情が破たんする。人間関係の崩壊には、その人自身の人生の崩壊がある。人を信用できず支援を拒否する。かといって自分の世話は肉体的にできず、その苦痛を周りへの敵意に変換する。ケアマネが担当を辞退する。にっちもさっちもいかない。
けっして社会の底辺にいた人たちの話ではない。かっては高学歴、高収入、高い地位。人生の終末で彼らに何が起きているのか。心の中に押し込められているのは人生への強い悔い、絶望、敵意。世間話のように成育歴を聞くことで、ほだされ徐々に介護を受け入れると聞いた。はじめて聞いてもらえる幼い頃のつらさ、悲しさ・・・。
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