脳の障害だから心の傷ではない?|だから薬を飲ませる|セラピーの現場(602)

問題は脳の障害が原因であって、心の傷が原因ではないとする傾向があります。器質的な問題なのだから、心因性の問題ではないとする傾向です。A(脳)だからB(心)ではないということです。
この傾向はだんだん強くなっており、例えばLD(学習障害)や ADHD(注意欠陥多動性障害)も脳などの機能障害(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/004/008.htm)とされるようになっています。LDや ADHDの子供たちは、別学級に入れられ、薬を飲まされ、通常の教育のルートから外されようとしています。これらの問題のある子供たちの数は多くなり教育の現場で手に負えなくなっているようです。脳(臓器)の問題であれば教育の問題ではなくなり教師は責任から逃げられます。親も面倒な子供の問題から逃げられ職場の仕事に専念できます。本人自身も、自分の心臓や盲腸等の内臓の病気に責任が無いように、責任から逃げられます(薬は飲まされてしまいますが・・)。
このA(脳)だからB(心)ではないという傾向は、脳科学の発達に従って、ますます広がっていくかもしれません。ぐずって親の言うことを聞かない幼い子供から、重大犯罪を犯す大人まで、広い範囲へ広がることと思います。
しかし、このA(脳)だからB(心)ではないという傾向は正しい方向なのでしょうか。セラピーの現場では全く違う感触を得ています。劇的に回復する例などを見ていると、とても脳の傷などの障害と片付けられません。
A(脳)だからB(心)ではないという判断自体も間違っているのではないでしょうか。例えば、PTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)は外部(災害、事故、暴力、戦争)からのストレスが心に傷を及ぼしたものであることに間違いありません。しかしこのPTSDにも脳の変化(委縮や炎症)が見つかっているらしいのです(http://news.mynavi.jp/news/2012/05/23/030/  http://www.excite.co.jp/News/it_biz/20120523/Cobs_ie_201205_ptsd.html)。この「心的外傷」は心を傷つける意味です。「心」であっても「脳」に変化が出るのです。A(脳)だからB(心)ではないという判断ではなく、AであればBの可能性も排除できない、という判断も必要なはずです。
脳科学の発達によって、それまで心因性(B)のものと考えられていたものが、脳(A)の障害として研究されるようになると思われます。激しい失恋も脳に変化を与えることが分かってくるかもしれません。そのときには、B(心)だからA(脳)だ、ということにもなると予想されます。心が問題を抱えていれば、当然に脳も問題を抱えているでしょう、となるでしょう。
仏教には心身一如という見方があるそうです。心と身(体、臓器、脳)は一体という意味にとれます。これは、まさにセラピーの現場の感触と同じです。

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