その前はこの世にいなかった|体験する似た感覚|セラピーの後で(556)
ありふれた場所、ありふれた時間に、幼い子供たちが遊んでいるのを見ることがあります。幼稚園の帰りに。立ち話の親の足元で。自宅の前で。買い物の途中の階段で。子供はどうしてあんなにかわいいのかと思います。彼らは生きることに夢中。一生懸命。つい、この前まで母のお腹の中にいました。その前は、この世にいませんでした。存在しませんでした。生きられることが当たり前ではありません。生命(いのち)が当たり前ではありません。当然の権利ではありません。
あの感覚は、私たちが、ベビーブレスの後で体験する感覚と似ています。非日常的な感覚です。しかし、それこそが望まれていたもの、欲しかったものたと感じます。日常では忘れていて、欠落していたもの。何か本質を見逃していたような、その本質。生きられることが当たり前ではなかったという事実を、ベビーブレスを通して逃げずに体験したからこそ、味わえる本質ではないかと思われるのです。
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