仮そめの愛情や慰めは手に入りやすい|本当は知っている|セラピーの現場から(542)

 

私たちは、本当においしいものを食べると「美味しい」と感じます。美しいものを見ると「美しい」と感じます。骨董などに興味もなかったのに、たくさんの骨董の群れの中から、気になる一品を選んでみると、実は、名のある作品だったというようなことがあります。これは考えると不思議です。何か始めから本当のことを知っている部分が、私たちのこころに存在するかのようです。偽物から本物を嗅ぎ分ける力が初めから存在するかのようです。

他人からの仮そめの愛情や慰めは、手に入りやすく、ついつい頼りがちだけれど、なかなか本物とはいえないでしょう。そのことを、私たちは実は知っています。さんざん頼っていても、実は知っています。自分自身が気づき変わった時に本物が手に入るようです。苦労するし痛い思いもするでしょう。しかし高くつくけど本物は美味しいし、美しい。それは比較にならないほどです。

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