毒親はいかにして毒親になったのか3つの原因?|毒親のこころ|セラピーの現場から(520)
毒親の親もまた毒親であったというのは、セラピーの現場ではほとんど、あたり前のことのように思えます。つまり、毒親に毒されて育てられた子供も、また長じて毒親になり自分自身の子供を毒するようになる、ということのようです。世代間連鎖とはそういうもの、と、ラベルを張っても、それだけでは何か腹の足しにはならないような気がします。毒親によって子供はどのようにして自分自身も毒親になっていくのでしょうか。納得できる原因は、仕組みは、どうなっているのでしょうか。いろいろのケースを思い浮かべて、推察します。
○愛情が分からない
親が毒親であるために、愛情をもらっていない人は、愛情の温かさなどの良さがわかりません。そのため、その良さを子供に伝えられない感じがします。愛情を伝える積極性が欠如するようです。興味がないように見えます。愛情そのものを持っていないのでは、などと不覚にも思ってしまいそうにもなります。子供に無関心な毒親になっていきます。意識しないネグレクトなども生じます。
〇復讐
親が毒親であるために、愛情をもらっていない人は、子供のとき、愛情をもらえなかったことから、親に対して攻撃性や殺意を抱きます。しかし、幼い子供にとって親は宇宙のようなもので反抗はできないので、我慢し、自分の中に内在させます。意識はできません。やがて、大人になり、自分の子供をもうけると、愛情を求めて自分に擦り寄ってくる弱い子供へ、その攻撃性や殺意が噴出するようです。「私は我慢してきたのに、どうしてあなたは我慢できないの!私がどうして与えなければならないの!」というわけです。愛情の反対物である攻撃性や殺意を伝えてしまう。復讐のようにも見えます。子供へ敵意がある毒親になっていきます。積極的な虐待も生じます。
〇依存
親が毒親であるために、愛情をもらっていない人は、未だに不足し続ける自分への愛情をなんとか補うために、自分の子供から愛情を吸い取ろうとするように思われます。親からもらえなかったものを、ついつい子供に求めてしまいます。依存です。一見するとやさしく見えます。でも、やはり本当の愛情ではないと言えます。なお、この状況では子供も本当は愛情不足であり、愛情をもらうために自分も、一見やさしい親に近づきます。しかし、近づいても本当には満たされないので、成長することができず、親から離れていけません。相互依存となります。子供を成長させない、巣立ちをさせない毒親になっていきます。
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