子供達への虐待は母からの虐待|物凄く怖い母自身の恨み|セラピーの現場から(643)

○セッションを始めたのは、私の子供達への虐待が、止まらなかったからだ。今は、かなり改善された。私の職場での人間関係もやや改善された。それでも私の問題は残っている。奥の方では母との関係だ。表面的には、自分の感情が出にくい。怒りや悲しみが出にくい。感情を出そうとすると恐怖がやってきて邪魔をする。他の人がセッションで本気で怒っているのを見てショックを受けた。自分に足りないのは、あの「本気」だと思った。
○何とか本気になりたい。今回のセッションに参加する準備として、絵を書いた。真っ暗な中にぽつんと小さな子供(自分自身)の絵。弱々しく線だけでできた小さな子供。この絵は、(母に)置いていかれた恐怖だ。背後には母の怖さがある。小さな頃の母のイメージはとにかく怖い。どんなに怖いかを表現できないほど怖い。怖いときの母の顔を思い出せない。感じられるのは心配と不安。絵は、私が3歳の時に、妹が生まれて両親が離婚し、私が置いていかれている恐怖だ。
母に置いていかれた、無視された、そこが一番傷ついている。真っ暗な中に一人ぽっち。母が怒っているのも、真っ暗で一人になっているのも、怖い。置いていかれたのは覚えている。意識がある。わがまま言って置いていかれた。「言うこと聞かない」とお尻叩かれた。多分、母の思い通りにしなかったから怒られた。きちんとやらなかったから。それでもいうことを聞かないと母は「勝手にしなさい」と、行っちゃう。歩いている道の真ん中で。自分が子供達へやっているのと同じ虐待だ。
そのことをグループカウンセリングで話していたら悲しみが出て泣けた。昔のその状況の時には泣けたなかったのではないかと思う。
○セッションで、母から怖い目にあわされたことへ、恨みを込め、怒りを出した。ところが本気で怒れない。恐怖を本当には感じたくないから本気で殺意を出せない。母から傷ついたことを何となくそうだったとは思えるものの、本当は物凄く傷ついたから、怖くて怒れない。怒りを止める。アクセルとブレーキを同時に踏んでいる。怒れないで弱々しく泣いてしまう。怖さを感じないようにしているから踏み込みない。感じられない、感じたくない恐怖がある。本気になれない。ストップさせている。へなちょこな気持ちになって、最後まで行かれないと思った。
○恐怖にドップリ浸かれない。もし浸かったら本当の殺意(怒り)が出てくると思う。本当の殺意(怒り)に行くまで距離がある。
○母への理解もほんの少し進んだかもしれない。母は、怒った時に物凄く怖い。怒って母自身の恨みを出していた。恨みも殺意も全部出して、きちがいになって私を怒っていた。それが怖い。お母さん自身の恨み。親に愛されなかった恨み、夫とも離婚して一人になった恨み、全てへの恨み。お母さんを抱きしめた。怖さの正体がほんの少し見えてきた。
○母に実際に聞いてみたことがある。私のことを「可愛いと思ったことがあったのか」と聞いたら「(あなたは私の)言うことを聞かなかったから」と応えた。「妹は生まれた時は天使のようで可愛かった」という。私は差別され虐められたようだ。

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