なぜ女性は禅寺の坊さんにはいないのか?|でも濃い関係性から温かい大きな理解へ|セラピーの現場から(510)

心理セッションやグループカウンセリングに立ち会わせていただいて、感じることがあります。男女の違いのことです。男性や女性がそれぞれ示す、人との関係性。
女性は、親や子供など人との関係性の中に、自分の問題の解決を見出そうとする傾向が強い。男性はその傾向は弱い。そう感じます。
人は、自分の問題が、人生早期の母子関係にあることが分かってくると、さらに、その理解を深めようとします。深めることができれば問題がひとりでに解消するようです。ところが、深めようとする際に、人との関係性の中にこそ問題解決があるとする気持ちがあまりにも強いと、どうにもならない母親をどうにかしようとして、大苦戦する傾向があります。ほとんど自滅の方へ向かおうとするのです。それほどの強い傾向は必ず女性が示します。男性はそれほど強くありません。
関係性があまりに強いと、一人になれません。そういえば、禅寺の坊さんは皆男性です。禅の修行は、個的な作業で、ほとんど一人ぼっち。しかも尼寺の数はとても少ないです。
なぜでしょうか?この男女の違いを見るにつけ、その原因を想像することがあります。以下、その想像です。

人類はたかだか数千年以前は母系社会でした。何万年も、ひょっとしてもっと何百万年もの間、女性は家を支配し、常に家族の中心にいました。人類へ進化する以前は、ハーレムなどのグループの中にいました。常にメスの周りには仲間がいました。
他方、男性は違います。父系社会は高々この数千年で、それ以前は母系社会の中で、冷や飯食いでした。家族の中心にはなれませんでした。人類へ進化する以前は、ハーレムなどのグループの中に居られたのはごく一部のオスであり、他のほとんどのオスは、離れオスとなって、グループの外で単独で暮らしました。オスの周りには仲間がいないのが常でした。一匹で死んでいくことがほとんどでした。
子づくりにおける男女の違いも、関係性の違いに、大きな影響があると想像されます。女性は、長い妊娠期間をすごし、お腹の中の胎児を感じながら暮らします。自分の血と肉で胎児を大きくする実感を持ちます。子が産まれた後も、自分の体の一部(乳という形で)を与えて、大きくします。何年もの間、自分の体に、子の温かさを感じ、子のあまい匂いを嗅ぎ、子のやわらかな動きを感じて過ごします。子の動きに応え、子の泣き声に応え、子の雰囲気に応えます。自分のこと以上の世話をして過ごします。時として子への完全な支配をつくります。ほとんど母子一体の長い期間を過ごします。子(人)との関係性は非常に濃いといえます。
男性は違います。極端に言えば、受胎期の一瞬だけしか関係しないこともあります。
ところが、そんな濃い関係性を持つ女性が、苦戦を乗り越えて、理解を深めると、男性には無いような、温かい大きな理解にたどり着くようです。周りの人を全て包み込むような温かさ、大きさがあります。女性が持つ関係性がゆえであろうと思われます。

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