186 許せない人|その人の辛さも引き受ける

道徳的なこととは違う、事実を見る辛さの話。
子を捨てる親がいる。物理的な子捨て、のみならず心理的な子捨て。捨てられた子側からの話。捨てられた辛さを無かったものにして、忘れて、懸命に生きる。しかし自分の人生の気がしない。自分の人生を取り戻すために、思い出す。辛さも思い出す。とても辛い。
しかし、それだけではない。事実を見る作業を進めると、やがて、子を捨てた親の辛さも体験することになる。捨てたのは、生活をするために、経済のために、やむを得ない選択。心理的にやむを得ない事情。
だから道徳的に自分を納得させて諦めろということではない。全く逆。辛さを2人分体験するという話。捨てられるだけでも辛いのに、捨てる側の辛さも合わせて体験する。真摯に自分の傷に向き合う人は体験する。母親は、血肉を分けた親子の情を、経済的な理由から断ち切る。愛情の少ない親でも、血肉の情は持っている。あなたをほんの少しでも育てたのであれば、それはある。あるのは事実。それを切る。残酷な話。辛さ、悲しさの2乗。
ただでさえ許せない人の、その人の辛さも、引き受けることになる。その人が仮に無意識のままであっても・・。その「辛さ」を引き受ける人は、本当に強くなる。

ホームページの記事もどうぞ⇒実績紹介>ベビーブレス体験集(本の内容)

IMG_1370