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448 傷がわかるとどうして成長するか

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愛情をもらえなかった。存在を認められなかった。その傷がわかるとどうして自立するのか、どうして回復するのか、どうして成長するのか。
(1)傷が分かったからといって、愛情なしで、どうして成長するはずもない。回復するはずがない。自立もない。決定的に不足しているのは愛情。愛情の欠如(けつにょ)で、私の存在は軽んじられ、命が脅(おびや)かされてきた。その残酷なまでの恐ろしさ。一人になるとその傷が未(いま)だに私を脅かす。傷が手で触れられそうだ。その傷が私をダメにした。動かしようのない事実だ。その傷を愛情なしで満たせるはずがない。回復できるはずがない。どんな愛情でも求めてしまう。渇きが泥水でも飲もうとする。そのことを誰が責められようか。愛情がもらえて初めて愛情を与えられる。それ以外にない。目の前に愛情をくれるべきだった人が居る。のうのうと分からないまま居る。どうして諦められようか。渦巻く怒りは湧いて出るが、あきらめは付かない。あきらめる?どんなに頑張っても不可能!。愛情もない成長や回復や自立など在(あ)ろうはずもないし興味はない。

(2)自分を傷つけたのは既に他人。過去に愛情くれなかったのは、もはや他人。生物学的な血はつながっているが、他人。私の存在を認めなかったのは他人。気の毒にも鈍感になってしまった人。その人は自分ではない。その人を変える力は今の私には無い。    自分は愛情を求め、得られず苦しんだ人。限りなく苦悩した人。求める力を持った人。苦しむ力を持った人。本当に求めるから本当に苦しむ。求める力は私のもの。求める心は私のもの。この健康さは私のもの。この私のものは誰にも奪うことはできない。この私のものの中でこそ私は満たされる。失うことのないその中に、投げ出され溶け出されて、初めて温かくなる。この健康さがあるから憎しみと愛情の区別ができる。嘘の愛情と本当の愛情が分かる。もっと分かるようになりたい。本物の中で生きていきたい。不思議なことに、供給されていなかったはずの愛情が湧く。存在できなかったはずのものが湧いて出る。依存の必要がなくなる。初めて他人との自立した関係が築ける。それが回復。それが成長。それが自立。

 

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