まるで当事者の気分|セラピーの現場から(685)

「H」
私事で恐縮ですが、普段カウンセリングやセラピーをリードさせていただいている立場とは違う話を、させてください。
「W」
どうぞ。
「H」
私の親戚で、前々から躁鬱の気があり、最近、老化に伴う認知症もあるのか、症状がひどくなっている人がいます。本人は自覚(病識)がないために、カウンセリングやセラピーを受けてもらうこともできていません。親戚だからといって首に縄をつけて受けさせる、というわけにもいきません。
「W」
はいはい。
「H」
近い親戚なので、その人の心的状況は、私にとって他人事ではありません。私はまるで当事者の気分になるのです。
「W」
心配ですね。
「H」
その人は話し自体はしてくれるので、何とかカウンセリングの効果が出ればと、話を重ねていますが、うまくいきません。
「W」
近い親戚の方なので、あなた自身の焦りも加わるのでしょうか。
「H」
そうだと思います。当事者としての焦りのような・・・。
「W」
その方は自覚はないのですから表面の焦りはないでしょうが、奥の方では・・・。それをあなたが代わりに感じるということでしょうか。
「H」
そう言えるのかもしれません。
話しを重ねていて、つくづく思うことがあります。自分の心の傷を見るのは難しい。すぐに防衛が働いてしまう。その傷を見ずに何とか生きていく道を探してしまう。
「W」
その結果が、その方の現状ですね。
「H」
はい。
でも、それでは今までと変わらない。解決や癒しはやってこない。防衛は手強い。ついついじれったくなってしまう。
しかし、その人の立場になってみれば、もっともなことなのです。近い親戚として理解できるのです。成育環境が似ていますから。丁寧に扱いわなければならない。立ち止まって待っているということが大切。そこから退かず、無理して進まず、目をそらさずに待っている。でも難しい。
「W」
自覚がないのですから、状況が重いということもあるのでしょうね。
「H」
重いですね。本当に傷を見る直前になると、ついつい強がってしまう。防衛してしまう。ある意味弱くなってしまわなければならない。負けてしまっわなければならない。そのことがとても難しい。
「W」
弱くなって傷を見るとどうしていいのか、ブログをはじめて見るような人にも分かるように、分かりやすく説明してくれませんか。
「H」
本当のこと(傷)を受け入れると、本当の強さが出てくる。本当のエネルギーが出てくる。湧いてくる。傷を見ずに嘘をついて(防衛して)いたのではそうはならない。
「W」
そこが分かりにくいかもしれません。
「H」
やってみないとわからない。やるときに本当の勇気がいる。
「W」
弱くなるには勇気がいる。しかも大きな勇気がいる。強くなることにそれほど勇気がいるわけではない。全く逆、ということでよろしいでしょうか。
「H」
まさに。
「W」
その方の防衛として、どんなことが・・・。
「H」
とにかく仕事にしがみつこうとする。人への怒りが顕著。表面ではニコニコしていい人をやる。
「W」
一般的にも言えるかもしれませんね。

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