怒りで本音を必死に掻き消している|セラピーの現場から(675)

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671~674について、本人の了解をとって、検討してみたいと思います。671にあるように、彼女は努力を重ね大きな改善を得ました。「物凄く落ち着いている」と言います。
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よく頑張ったなと思います。パニック障害に苦しむ以前の彼女を知っていますのでね。
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私はセッションでどんどん進んでいく彼女しか知りません。
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そうなんです。
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きっかけは、「見捨てないで」というセッションを行い自分を観られたからだ、と彼女は言います。それは何を意味するとすればいいでしょうか。
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674で彼女も言うようにやはり「死」でしょう。これはそこまでは彼女は言ってませんが、本当は死にたかったのだ、と私は思います。
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そこは彼女の了解をとりましょう(*)。
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はい。それが奥のほうに隠れている本音。それが大事です。
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つまり、怒りを力に変えて生きようとするのは本音の半分に過ぎない。もう半分の本音は消し去られていた、ということですね。自分の半分を無いものとして生きてきたのだと言うことですね。
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そうです。無いものとしてきた部分を少し観れたので、よくなったということでしょう。
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672にあるように、「何だか分からない恐怖と戦い」、その恐怖に対して怒りで対抗しようとする。
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これは苦しかったですね。苦しいけど何とか生きていこうとするための便法(べんぽう)です。それしかやれない。
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切ないですね。
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はい。
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673についてです。「弱さや寂しさ」は受け入れられた。その範囲であれば「死」を受け入れた、ということですね。
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よく受け入れられたー。受け入れが起きたことが大切。
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けれども、完全な「死」は受け入れられない。
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そうなんです。
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「植え付けられた死・・・絶対に嫌だ。」とあります。彼女のエネルギーは細く鋭い感じがしますね。そこに葛藤(かっとう)が残ります。改善のきっかけも「死」だったけれど、残るのも死の問題だという事は分かっている感じがします。
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分かっていても、苦労する、ということはあります。
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彼女のやり方で進んでいくのが楽しみです。
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今の段階で、よくやったね、とほめたい。
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674についてです。育児放棄を子供を守ったと説明するくだりがありますね。
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子供に対する死の話は、673と合わせて読むと理解できます。

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母と同じように自分も子供を傷つけた。子供を「殺す想像を何回もした」、殺意があったと言います。しかし、愛する子供にそんなことはできない。すぐに罪悪感の揺り戻しが来ます。もうここでは、別の見方が強調されます。子供を肉体的に「守った」。助けたと言う事実が強調されます。

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彼女は、自分の持つ2つの面を自分から語っています。認識できています。

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それでも2つをまとめて一つにすることは、苦しく、切ない。

<<追加>>
(*)の部分の本人からの確認はとれました。セッションの以前の記録で確認できたそうです。今回の記事内容に対して本人からの感想が次のように届いています。
「怒りで本音を必死に掻き消しているのですね。本質をずらそうとする事が分かり、あ〜やっぱりね♬と納得感があります。」

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