母は父をつなぎとめるために自分を妊娠したが離婚し自分にはとてつもない恐怖|セラピーの現場から(654)

○自分の中にすごい恐怖があることが分かってきている。この恐怖が私の人生に存在する不具合の原因になっているようだ。その自分の恐怖の出所が今まで謎だった。それがうすうすわかってきたような気がしている。私の出生前、母と父の仲は破たんしかかっていた。母は父をつなぎとめるために妊娠した。しかし父の浮気があり結局は離婚した。そうであれば自分のとてつもない恐怖が説明できる。
○自分の中にすごい恐怖がある。とてつもない恐怖。言葉にすると全く抵抗ができない状態で、身動き取れない状態で、急に殺される。受け入れる準備もない。その状況で死んで行かなくてはいけない。窒息されるような感じ、否応無しに。
○この恐怖は、胎児が感じていたのではないか。そう思うと母が父の浮気を知った時のことが、当てはまるのではないかと思っている。その恐怖というのは、急に命が奪われる(堕胎の)恐怖だが、そのほかに絶望感がある。(愛情を貰えないまま)生きなきゃいけない絶望感。怖い思いをしなながら生きる生き辛さ、周りに疎まれながら、苦しいことが何度もあるのに生き続けなければならない絶望感だ。
○妊娠中に(浮気)相手がいるという時の母の絶望感があったのではないか。母の絶望感を自分が取り込んでいたのか。母が感じる絶望感なのか、自分が感じる絶望感なのか。区別はつかない。母と一体的で自我の無い(あるいは弱い)胎児には同じことかもしれない。
○今回のセッションではそこをやりたかった。最初、恐怖は出て来た。でも、それ以上は、上手く入れなかった。考える癖が出て来て、それで苛立っていた。逆方向への表現が起きた。楽しくなった。楽しさはエネルギーが出てワクワクしている感じ。それが本当の自分に近いんだろうなと思う。セッションで使われる音楽で楽しくなったのか。最初の恐怖を少しだけだけれども味わうことができたからか。恐怖の理解が進めば自分がこういう(楽しい)自分だろうなと少し納得できた。それが自分だろうな。苦しいこと、辛いことが多いけれども、本来は楽しい自分なのだろうな。
○恐怖をやりたい(深く入りたい)気持ちはあっても、意図的にやると上手く行かない。やはり怖くて嫌なんだと思う。胎児期の恐怖が絶望感になりエネルギーが湧かない、それが今までの自分だったんだ。そのことが分かってきた。

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