336 一生を支える母親との一体感

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幼い子供が母親と過ごす時の忘我の一体感は、子供の一生を左右する。子供の一生の基盤を造る。
胎児期・乳幼児期に母親からの健康な愛情があれば、この一体感は、そのまま至福の感覚として無条件に取り込まれ、長じては根拠のない自信、常在する幸福感となり、子供の一生を幸福の内に支え、子供の能力を最大に引き出す。
ところが母親からの健康な愛情がなければ、この一体感は、満足されて完了するということがなく、いつまでも続く母親との同一化となり、自立困難の元となる。母親が子供に憎悪や殺意を抱けば、それらを母親から無防備に取り込むということを経て、死の受け入れとやがて生きるためにそれを否定することから、根拠のない不安や恐怖が一生を支配する。不安や恐怖を抑えこみ戦うことにエネルギーが費やされ、せっかくの能力は発揮できない。

 

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