104 「いい母親」を殺す。「大嫌いな母親」を抱きしめる。

2013-04-11 17.59.52

私たちの心の中で、母親のイメージには大きく分けて二つの方向がある。肯定と否定。例。一つ「母親はいい人でした。以上です」。もう一つ「母親は大嫌いでした。関わり合いたくありません」。愛憎のアンビバレンツ(両価性)のうち、一方だけが強調され、他方は捨て去られる。一つはいい母親。もう一つは悪い母親。そして二つが混じらないようにする。いい人の母親が、本当には自分に愛情を持っていなかったというようなことには耐えられないから。大嫌いな母親のはずなのに、逆に(どうしようもない現実の母親ではなく心の母親にではあるが)本当は今でも心から愛情を求めていることには耐えられないから。しかし残念なことに、このやり方はうまくいかない。捨て去られた他方が、知らないうちに裏口のドアから入ってきて、私たちを苦しめる。一生苦しむことになる。アコールでセッションを受け、抜けていく人たちは、この苦しみのカラクリを自力で見抜く。セッションのピークでは「いい母親」を殴り引き裂いて殺す。「大嫌いな母親」を慟哭しながら抱きしめる。人の根源的なエネルギーが沸き起こる。苦しみから抜けていく。成長する。

実は、このエネルギーは赤ちゃん時代のものらしい。メラニークラインによれば、おさない赤ちゃんは、もともと、ものごとを部分的に認識することしかできない。本来は一人の自分の母親を、はじめは、いい母親と悪い母親というふうに別々に認識する(「お乳をくれる良いおっぱいとお乳をくれない悪いおっぱい」)。しかし、健全な状況にある健康な赤ちゃんであれば、その部分的認識の状況はやがて克服される。いい母親と悪い母親の二つが本当は一つであると理解する(0歳から1歳の頃のできごとといわれる)。そして健康に成長していく。しかし「悪い母親」があまりにもひどかったり、赤ちゃんの感受性が高くて敏感なときには、本当は一つであることにはとても耐えられない。別々の認識状態にとどまる。ものごとを統合する力に欠けることになる。健康な成長が妨げられる。ひどいときには分裂(統合失調)になる。このメラニークラインの説は、特殊ではなく、クライン学派(英国では中心的な精神分析学派)として世界的に認められ受け継がれている。

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